ROCKIN'ON SONIC 2026のこと

1月4日は昨年に引き続き「ROCKIN'ON SONIC」。
今年は1日のみの開催ですが、行きます。もうそんなゴリゴリに洋楽観られることなんかなかなかないし、UnderworldとPet Shop BoysはいるしTravisもいる。話題のKNEECAPもいる。行かない理由がない。

開演が13時30分なので、うきうきと海浜幕張駅に12時30分頃に着き、幕張メッセまでとろとろ歩いて、12時40分過ぎくらいにメッセ内に入ったら、12時には開場しているはずなのに、去年では考えられないレベルの入場待ちの行列。

今年は盛況だな!とアホみたいに並んでいたら、「PET SHOP BOYSはキャンセル」というアナウンスが急に聞こえて大変にビビる。
メッセの建物内に入った時、オレンジ色でトンガリ帽子被ったPSBコスプレ集団が真剣な顔で話し合っていたのはそれだったのか。

フェスには珍しく払い戻しという選択肢もあり、よくそういう判断できたなと感心しつつ、でもPSBは過去に2回観ていることもあって迷わず入場を選びます。

結局行列はキャンセルによって何らか変更を行うかどうかを判断するまでの待ちであり、中に入ったら昨年に引き続き大変に快適で、とりあえず椎茸(山わさび味)とビールを所望。

Just Mustard
21世紀のCurve。Curveのライブは観たことないのですが、音源では打ち込みの音も全編生バンドでやっていたということなので、きっとこういう感じなのだろうと。
ただ、Just Mustardはディストーションのみでなく、ベースも含めて「弦で変な音を出す」ことに命を懸けているような、聴いていて無闇に面白いバンド。よい。

KNEECAP
思っていたよりもずっと多彩でとてもエンタメ。音楽的にも、オーディエンスをごりごりに巻き込んでいくスタイルも。
絶対に一緒に酒を飲んだら楽しそうな連中ですが、でも決して完全に「陽」ではないパフォーマンス。
それは強烈なメッセージのせいだけではなく、ベルファストという、世界でも有数の「ナショナリティとエスニシティが一致しない」土地出身者のためのようにも思えました。

ただ、そのメッセージにどこまで共感するかはともかく、その言葉に最大の意味があるグループではあるので、自分のヒアリング力鍛えなきゃ駄目だと思いました。鍛えてもアイルランド訛りでわかんないかもしれないけど。

Blossoms
今回の出演は、「ロッキンオン」誌が10年近く前にだいぶ持ち上げて、でも結局その後放置した、その償いのようにも思ってしまいました。
抜群にかっこよく、抜群な楽曲群で、UKでは安定した人気があることはわかる音ではあるのですが、やっぱり今は、自分が強烈なのをいろいろ観てしまっているだけに、それだけでは弱いというか、物足りなさを感じてしまいました。

ずっと真夜中でいいのに。
出演発表時、いろいろ言われましたし、実際、発表直前に洋楽バンドの誰かがキャンセルした穴を埋めるために呼ばれたのであろうと思ってはいますが、正直ぶちのめされました。
テレビでも紹介された「ブラウン管パーカッション」「オープンリールテープをDJのスクラッチのように手動で動かす」「扇風琴」といった変態楽器の存在だけでなく、変拍子をひとつふたつ入れたらもうこれ完璧に「プログレ」じゃないですか、みたいな楽曲等、このフェスに集うようなおっさんおばさんが知っている「オルタナティブ」とは全く違うベクトルの、でも間違いなく強烈なオルタナティブ。
ただの穴埋めではなく、「それなら絶対これを見せたい」という運営側の意志の結果としての出演であることは間違いなく、その結果私はすごくワンマンが観たいと思いました。

Wolf Alice
音としては割とオーソドックスな方のバンドだと思っていましたが、生で聴くと演奏は抜群だし、エリー姐さんの佇まいも相まって、想像以上の「華」も感じます。
ドラマーがリードヴォーカルの一部を取ってエリー姐さんと絡むのが、すごくよかったです。
しかし、英米の女性フロントマンがレオタードっぽい衣装になりがちなのは、あれ一体何なんでしょうか。The Runawaysの頃から綿々と歴史を繋げている感じ。

Underworld
1980年代末頃、ハウスが台頭してそれに夢中になっていた頃、「でもこれはこの時代のにアジャストした音楽だから」と思っていて、その後「テクノ」が盛り上がった時も、今聴いて、クラブで踊っているこういう音楽は、今の時代だけの音楽だろう」と思っていたのですが、でも30年後「Born Slippy」で、20代の時ほどには暴れられないけど、同じように高揚している。
こういう音楽もエヴァ―グリーンになりうるという事実は、30年前の自分にとって、とても素晴らしい未来だと思いました。

あと、「Born Slippy (nuxx)」での爆音と同時に輝く金色の光を見て、とてもめでたいと思いました。あけましておめでとうございます。

で、元々60分予定だったのがPet Shop Boysのキャンセルに伴って80分に延長(実際には75分ちょっと)。
こういう音楽は音と映像と照明のきっかけが相当にアジャストされているはずなので、どこを延長したのだろうと思いながら観ていたのですが、ここかな?と思う個所はあったものの、明確にはわからず。
単独公演分からいくらか持ってきたのでしょうか。
それでもさすが百戦錬磨のライブアクト。

Travis
Pet Shop Boysが急遽キャンセルになってがっかりしましたが、でも結果としてTravisが大トリになったのは、それはそれでよかったのではないかと思いました。

名曲の連打なので、当然こっちはこっちで盛り上がるわけですが、Underworldの盛り上がりが「ギャーーーー!」という感じなのと比較すると、もっとじんわり少しずつ高揚していくというかあったまっていく感じの。

結果、クラブのチルアウトにも近しい感じで、心地よい感じで終わることができたような。

いや、Pet Shop Boys観られたらそっちの方がよかったけど。
でもこういう経験過去にないこともあり、悪くない終わり方でした。


ということで、2027年やれるとは思っていなかったので、開催することを明言したのは少し驚きました。

Rockin'on Sonicはその舞台等メッセ内の建付けのほとんどがCOUNTDOWN JAPANの流用であり、単体でそこらへんの費用を計上しなくていいことが前提に成立しているものであり、かつ1月の2日3日は幕張メッセはお休みなので、その隙間を縫うように、仕事始め前の週末を使って開催しています。

が、2027年は、1月2日3日が土日で4日が月曜日なため、開催の隙がなくなります。
どうするか考えてみたのですが、

案1:COUNTDOWN JAPAN開催期間の後でなく前に付ける形
12月26日27日が土日なので、変換日込みでも26日だけなら開催できないかと思ったのですが、それだとそれは2026年であり、発表された「ROCKIN'ON SONIC 2027」にならない。
クリスマスからニューイヤー前の時期に洋楽勢が稼働してくれるとも思えない。

案2:無理くり3日だけメッセを開けてもらう
何とかメッセの運営側と交渉して3日だけ動かせるようにした可能性。
ただ、1月2日3日のお休みも、電気系統等の点検を行っているということなので、それは物理的に相当難しいはず。
おっさんおばさんをメイン顧客として考えているなら、3が日に突っ込むことも考えにくい。相当数はその頃実家か新幹線か高速の渋滞中なので。

案3:全くの別日程にする
たとえば3月にクリエイティブマン単体で「PUNKSPRING」「SPRINGROOVE」というフェスを土日1日ずつ開催していた時期がありました。
それをどちらか復活させて、もう1日を「ROCKIN'ON SONIC 2027」に充てれば、設営等の費用は按分が可能に。
3月20日も祝日なので、そこに入れば合計3日間何らか開催することが可能。

正直、案3しかないかなと思っていますが、とりあえずやってくれたらいつでも行くから。よろしくお願いします。

2025年解散・活動休止のこと

2025/01/01 Puppet Rabbit(解散)
2025/01/04 なもなき(解散)
2025/01/04 ν[NEU](解散)
2025/01/05 でんぱ組.inc(エンディング)
2025/01/10 TRICERATOPS(無期活動休止)
2025/01/12 BiS(第3期)(解散)
2025/01/12 ぺろぺろきゃんでぃ(解散)
2025/01/19 Amulet A Mute(解散)
2025/01/22 神使轟く、激情の如く。(現体制活動終了)
2025/01/31 NEO JAPONISM(現体制活動終了)
2025/01/31 BMK(解散)
2025/01/31 the pillows(解散)
2025/01/31 ヤユヨ(解散)
2025/02/01 ANISAKIS(解散)
2025/02/01 2o Love to Sweet Bullet(活動休止)
2025/02/01 PELICAN FANCLUB(無期限活動休止)
2025/02/02 ASOVISTA(解散)
2025/02/06 フジファブリック(活動休止)
2025/02/08 Symdolick(解散)
2025/02/08 NoisyCell(解散)
2025/02/08 泡沫パンタシア(解散)
2025/02/09 プランクスターズ(解散)
2025/02/12 SUPER FAMILIA(解散)
2025/02/15 NARLOW(解散)
2025/02/16 CoLoN:(解散)
2025/02/16 7 MEN 侍(再編)
2025/02/16 HiHi Jets(再編)
2025/02/16 美 少年(再編)
2025/02/16 polly(解散)
2025/02/16 結音 YUION(現体制活動終了)
2025/02/22 このままベルミィ(解散)
2025/02/24 8iper(解散)
2025/02/24 ハープスター(現体制終了)
2025/02/24 PiXMiX(解散)
2025/02/26 メタモル!!!(解散)
2025/02/28 アイビーカラー(活動休止)
2025/03/02 ファニーピッピポッポ(解散)
2025/03/06 WANG GUNG BAND(活動休止)
2025/03/13 Adorable Punch(解散)
2025/03/17 なんキニ!(現体制活動終了)
2025/03/17 no★no(解散)
2025/03/21 the quiet room(解散)
2025/03/22 Shangmoo(現体制終了)
2025/03/24 BLACKNAZARENE(解散)
2025/03/26 1つ足りない賽は投げられた(解散)
2025/03/27 ナナランド(現体制終了)
2025/03/30 CONTRAIL ZERO(解散)
2025/03/30 フジコーズ(解散)
2025/03/31 et-アンド-(解散)
2025/03/31 学芸大青春(解散)
2025/03/31 KAT-TUN(解散)
2025/03/31 CoCoLo▽RiPPLe(解散)
2025/03/31 戦国茶屋娘(解散)
2025/03/31 チア☆ハピ(解散)
2025/04/02 north pole(解散)
2025/04/04 TOWHY(解散)
2025/04/19 リトルネコ(解散)
2025/04/21 SANDAL TELEPHONE(解散)
2025/04/26 TO THE TOP GANG(解散)
2025/04/27 はちみつハニー(解散)
2025/04/30 SANDAL TELEPHONE(活動終了)
2025/05/06 彩冷える(解散)
2025/05/09 エレファンク庭(閉庭)
2025/05/18 アルカナビス(解散)
2025/05/19 GRAB MIND(解散)
2025/05/19 白百合と雨(解散)
2025/05/20 Maison B(解散)
2025/05/23 Puchi Palette(解散)
2025/05/23 プリマステラ(解散)
2025/05/24 mol-74(活動休止)
2025/05/29 BlooDEA.Rs(解散)
2025/05/30 PLASTICZOOMS(無期限活動休止)
2025/05/31 Bitter & Sweet(活動終了)
2025/05/31 BLUE BLUE BLUE(解散)
2025/06/01 lol(解散)
2025/06/01 umitachi(解散)
2025/06/02 I'sHolic(解散)
2025/06/02 蒼穹アンブレラ(解散)
2025/06/03 アクアウィステリア(解散)
2025/06/08 アイドールBRAVE(解散)
2025/06/14 Mr.FanTastiC(解散)
2025/06/15 MELLOW MELLOW(解散)
2025/06/18 Mr.ふぉるて(解散)
2025/06/21 雨宿り(活動休止)
2025/06/23 AiVER.(解散)
2025/06/23 モノクローン(現体制終了)
2025/06/25 TOKIO(解散)
2025/06/27 iiiidolll(解散)
2025/06/27 プノンペンモデル(活動終了)
2025/06/28 maumau(解散)
2025/06/30 SW!CH(活動のスイッチをOFF)
2025/06/30 nyanpuri【にゃんぷり】(解散)
2025/07/05 つぼみ大革命(解散)
2025/07/05 Moon☆light(解散)
2025/07/09 Scumbag(解散)
2025/07/09 我儘ラキア(解散)
2025/07/11 狂い咲けセンターロード(解散)
2025/07/20 シンパシンドローム(解散)
2025/07/20 Fragrant Drive(解散)
2025/07/25 CRAZED BRAIN(解散)
2025/07/28 NightOwl(解散)
2025/08/01 Crossfaith(無期限活動休止)
2025/08/01 FlowBack(解散)
2025/08/01 Veil of Tuth(解散)
2025/08/16 DearLink(解散)
2025/08/19 禁断の方程式(解散)
2025/08/20 リュミエールONE+(解散)
2025/08/24 湯上り茶の間(解散)
2025/08/25 Relly Candy(活動終了)
2025/08/30 BeeRoom(解散)
2025/08/31 Awkmiu(解散)
2025/08/31 あの歌のせい(解散)
2025/08/31 LEONAGE(解散)
2025/09/01 虎ト卯(解散)
2025/09/02 GARNiDELiA(無期限活動休止)
2025/09/03 ガンジャバンギラス(解散)
2025/09/06 ENDON(解散)
2025/09/07 Little Regret(解散)
2025/09/13 ジェニーハイ(フリーズドライ状態)
2025/09/13 RIRYDAY(現メンバー活動終了)
2025/09/17 Glim Assembler(現体制終了)
2025/09/21 神薙ラビッツ(解散)
2025/09/21 GOOD ON THE REEL(活動休止)
2025/09/24 ニルギリス(活動休止)
2025/09/26 Deep Sea Diving Club(解散)
2025/09/27 ユニコーン2.0(解散)
2025/09/28 星屑ラビリンス(解散)
2025/09/30 フィルフリーク(無期限活動休止)
2025/10/01 ANARKIE(解散)
2025/10/01 Chim Chap(解散)
2025/10/03 The Songbards(解散)
2025/10/03 Pety(現体制終了)
2025/10/05 iLLmatic(解散)
2025/10/05 シエルメル(解散)
2025/10/05 FACT(本当の解散)
2025/10/09 OLNew(解散)
2025/10/10 感覚ピエロ(解散)
2025/10/11 群青の世界(現体制活動終了)
2025/10/18 INTERAGE(解散)
2025/10/19 一瞬しかない(現体制活動終了)
2025/10/19 TEAR DROP!(解散)
2025/10/19 ぴんくあみゅれっと(解散)
2025/10/19 The Floor(無期限活動休止)
2025/10/20 ジェニーハイ(フリーズドライ)
2025/10/26 PRIMA..(解散)
2025/10/27 天蝶セラフ(解散)
2025/10/28 henrytennis(解散)
2025/10/29 ArtTheaterGuild(活動休止)
2025/10/29 remain Vapour(解散)
2025/11/16 PURPLE KISS(活動終了)
2025/11/21 frecia(解散)
2025/11/22 MEWM(解散)
2025/11/30 少年忍者(活動終了)
2025/12/06 OverTone(解散)
2025/12/06 #2i2(解散)
2025/12/11 東京少年倶楽部(活動休止)
2025/12/12 TOOKAMI(活動休止)
2025/12/13 TEAM SHACHI(解散)
2025/12/17 グランギニョル(活動終了)
2025/12/17 Daisy Jaine(活動終了)
2025/12/18 Hwyl(無期限活動休止)
2025/12/19 ポラライト(現体制終了)
2025/12/21 清竜人25(現体制活動終了)
2025/12/23 背前逆族(解散)
2025/12/23 MOSHIMO(無期限休止)
2025/12/26 YOAKE(解散)
2025/12/27 Aqua Timez(活動終了)
2025/12/27 Queen Clrown(解散)
2025/12/29 ちょこらび(解散)
2025/12/29 電影と少年CQ(ハッピーエンド)
2025/12/30 Twinkle☆Stars(解散)
2025/12/31 DRUGPAPA(解散)
2025/12/31 Perfume(コールドスリープ)
2025/12/31 Repezen Foxx(解散)

2026/01/04 Waive(解散)
2026/01/13 あっとせぶんてぃーん(解散)
2026/01/20 超ジャシー(解散)
2026/01/27 MADMED(終幕)
2026/02/07 ダダダムズ(解散)
2026/02/13 東京初期衝動(解散)
2025/02/16 Finger Runs(現体制活動終了)
2026/02/23 とけた電球(解散)
2026/02/28 バイリンジボーイ(解散)
2026/03/01 orange pekoe(活動満了)
2026/03/08 GLASGOW(無期限活動休止)
2026/03/08 BiTE A SHOCK(解散)
2026/03/13 AMEFURASSHI(解散)
2026/03/28 #ババババンビ(解散)
2026/03/31 東京女子流(解散)
2026/03/31 NACHERRY(活動休止)
2026/04/29 LumiUnion(解散)
2026/05/24 ukka(解散)
2026/05/26 afloat storage(解散)
2026/05/31 嵐(活動終了)
2026/06/14 SHISHAMO(解散)
2026/08/XX 九州女子翼(活動終了)
2026/09/XX CIVILIAN(無期限活動休止)
2026/XX/XX KiSS KiSS(解散)

ありがとうございました。
2026年もよろしくお願いします。

lynch.@東京ガーデンシアターのライブのこと

28日は東京ガーデンシアターでlynch.の20周年ファイナル公演。

前に観たのがコロナで声出し無しの日本武道館で、キャパ的にはそれ以上の箱でやるんですから、行きます。

lynch.は、不祥事があっても脱退・交代一切なくメンバー不動の状態で復活して、デビュー時からのメンバーのまま今に至る、日本のメジャー史上では自分が確認できた中で唯一のバンドです。
BUCK-TICKもそうだったのですが、別の事情で一人いなくなってしまったので、今はlynch.が唯一、だと思います。

そういうバンドのライブがそもそも悪いはずがないのですが、前の武道館の記憶を手繰っても、明らかに個々のメンバーのプレゼンスが上がっていて、更によくなっている。
20周年にもなって、まだ伸びしろがある恐ろしさ。

音源だと割とシーケンスが前に出る曲も多いのが、ライブだと鳴っても曲頭だけとか、鳴っていても完全に楽器の方がグイグイ前に出ていて、結果音源と比較して恐ろしく肉体的な表現、まさしくライブミュージックになっていたりとか、全体的には恐ろしくストイックな演奏と歌なのに、Vo.葉月くんがMCその他、どこまでも「気のいい兄ちゃん」風味を醸し出し続けるので、そこここにほっこりする瞬間もあったりとか。

曲の途中で盛り上がった葉月くんが「最高でーす!」と叫んだの、どこのプロ野球選手のヒーローインタビューですか。

だから、がっちりと作り込んだ音源を、その作り込みはほぼそのままながら肉体性や人間味をどんどんオンしていって恐ろしく情報量が多くなっているのに、それが一気にズドンと来るような、つまり圧倒的なライブ感。
そりゃ満足度高くなります。

初夏にはこの20周年を集大成とした後のニューアルバム、そしてツアーだそうで、これまた何かガツンと変わっていきそうな気がします。
20周年を終えてまだ先に行きそうなの、すごくいいですこういうの。

2025年ブックオフオンライン年間ランキングのこと

日本一地獄度の高い年間ランキング、今年も発表されました。
ブックオフオンラインの年間ランキング、2025年。

ブックオフ公式オンラインストア 2025年 年間ランキング(CD)

全体的には例年恒例、20世紀の終わりころから21世紀の初め頃の、CDがやたら売れていた時期にリリースされたCDが、買われて売られてまた買われてをおよそ四半世紀の間繰り返してぐるぐる回っているだけのランキング。

昨年トップ2を占めた宇多田ヒカルがそのまま今年もワンツーですが、彼女の他の盤も軒並みランクアップしているところが今年最大のポイントです。

昨年の新ベスト盤「SCIENCE FICTION」がリマインドの役割を果たしたことが昨年のワンツーの理由であると推測しましたが、今年も綾鷹のCMに継続して出演したり、米津玄師とのデュエット等、昨年ほどではなくともそれなりに話題性のある活動をしていたということでしょうか。

そして、彼女の各盤は「人間宣言」以前のオリジナルアルバムでは「ULTRA BLUE」が90万枚止まり以外は全部ミリオンとかダブルミリオンとか700万枚とかで、以降の「Fantome」でも70万枚以上を売り上げているため、「世の中に存在している数」≒「中古市場に供給される数」ということで売ることができる数も多くある一方、「SCIENCE FICTION」は話題になったとはいえ、実売数は限定・通常合わせて約33万枚であり、価格は最近になっても、BOOKOFFで思い付いてふらっと買うには少し抵抗ある2000円台をキープしています。

1曲か数曲か聴きたいということであれば、その曲が入っていればいいわけで、概ね300円台で購入できる過去アルバムを選ぶのは当然です。

ただ今年は彼女以外にも、過去に一度もランクインしていなかった大黒摩季や浜崎あゆみが急に入ってきたり、椎名林檎の「無罪モラトリアム」が久々に入ったり、何故か例年よりも女性が活躍しているランキングですが、オリコンの方を確認してもそのアルバムの新品の販売数が目立って伸びているという様子は全くなく、これは何でなのかさっぱりわかりません。

一番わからないのは、特に目立つトピックがなくても、毎年ずっとランクインし続けているZARDですが。

NUANCE@横浜1000CLUBでのライブのこと

15日は横浜1000CLUBでちょくちょくのヌュアンス。

毎度の話ですが、楽曲がきちんと「よい音楽」である、振付や演出のセンスがよい、というあたりが気に入って2018年頃から継続的に観るようになったグループですが、オリジナルメンバーの頃はチームワークとは無縁の、よく言えばそれぞれが「孤高」の空気感を醸している謎のグループでもありました。悪くは言わないようにします。

それがオリジナルメンバーの残存が最後の1人の川井わかさんになった頃から「チーム感」が観測され始め、2024年の3月に彼女が卒業する頃には間違いなく「1チーム」としてのパフォーマンスを行えるようになりました。

以前のワンマンでは芸人をゲストに呼んだり演出に凝っていたりしたのですが、今年4月のワンマンではそういう演出一切なく、ワンマンの時の恒例であったバンドも置かず、ただひたすらに4人のパフォーマンスだけで場を作ることができていました。

今回も90分ノンストップ、始まってみれば今回も演出なしバンドなし、各メンバーの身体だけで引っ張っていく形でした。

で、前のライブを観た際に「よかったけど今後の伸びしろもある」ということを書いたのですが、本当に伸びた。圧倒的に伸びた。

というか、これまで彼女たちのライブについて書く際には、「前の彼女たちと比較して伸びた、変わった」という形で書いていたわけですが、今回については過去関係なく単体でこれを観たとしても「素晴らしいショー」だと思えるほどのレベルに。

過去のライブでは必須の「アゲ曲」だった「タイムマジックロンリー」も「セツナシンドローム」もセトリから外し、各メンバーのソロ曲も披露しながら、それでもメンバーの気迫が伝わるくらいの場のテンションに、ガンガン気持ちを持っていかれる。

ラスト前、「highlight」後半の爆発的なパフォーマンスには本気で鳥肌立ちました。

何でそこまで伸びたのか、「前との比較」で考えてみると、各メンバーの地力が確実に上がっています。

歌については「長」であるところの恭美さんが圧倒的だったのですが、彼女は相変わらず圧倒的にしても、他の3人の成長が著しい。特に最後に加入した桃子さんは正直割と歌については不安定な部分があったのですが、今回はソロ曲もよかったし、あと恭美さんと桃子さんの2声ユニゾンが「音」として大変に耳に心地いい。

振付についてもシンクロダンスのシンクロ率のレベルや、ばちっと決めた時の「圧」が、過去とは段違い。

伸びるとは思っていましたが、半年ちょっとでここまで行くのか。
考えてみれば、現体制になった2024年3月にわかさんが卒業したタイミングが本当のスタートラインだったのかもしれません。
まだ伸びるのか。楽しいぞこれは。

今回のライブはROAD TO ニューヨコハマと銘打ち、2年後に横浜アリーナでライブをするという、割と無茶な目標を掲げたのですが、このまま伸びればもしかしたらもしかするかもしれない。

どれだけ地下で評判になっても、オールドメディアでフックアップされなければ、アリーナレベルまで動員を伸ばした事例は過去にほぼない、というのが定説ではありますが、いろんな情報伝達手段も変わり続ける世の中、何があるかわからない。

とりあえず、もっと伸びろ。

それと、1000CLUBは見やすくて大変にいい箱なのですが、来年9月で閉館。
あと何回来れるでしょうか。

TV GIRL@神田スクエアホールのライブのこと

11日はTV GIRLの初来日公演。

言われてみれば今まで来たことなかった。
割とコンパクトなアジア太平洋ツアーのファイナルで、日本は東京のみですが、他の国もそれぞれ一発のみ。

11/21:ホノルル
11/27:マニラ
11/30:ジャカルタ
12/01:バンコク
12/03:シンガポール
12/07:香港
12/09:台北
12/11:東京

迷っているうちにチケットは完売になっていたのですが、友人から「Franz Ferdinandと被った」というメッセージが来たので、スマチケ転送してもらう。そういうのは神の思し召しと判断して可能な限り引き取る方針で生きています。

何か最近よく来ている気がする神田スクエアホール。
入場待ちの人たちを見てそのあまりの女性の多さにビビる。しかも若い子が多い。

最近になって10年以上前の楽曲「Lovers Rock」がTikTokでバズって、この来日公演の告知動画もTikTokに乗っかっていたようなのですが、そのせいか。
さすがLIVE NATION。

こういうユニットの場合、自分の中では音源の音をなぞるタイプより、完全に超高性能ダンスミュージックとしてフロアをブチ上げにかかるHot Chipや、浮遊感というかサイケデリアの祝祭と化してオーディエンス全員バカになるTame Impalaが非常に記憶に残っているので、そういう「音源からの飛躍」に期待をしていたのですが、そこは割と音源に忠実でした。

印象的なサンプルを曲のフックにしていることが多いので、そこから外して突っ走ったらその曲ではなくなってしまうから仕方ないのかな、と思いつつ、でもベースとドラムが生なだけあってグルーヴ感は恐ろしく強化されています。
Velvet Undergroundの「Femme Fatale」をドリーミングにカバーするなど、ちょっとした無茶もありましたが、全体的には堅実かつ誠実なライブという印象。

そして若い女の子が多いので、曲頭でその「印象的なサンプル」が鳴り響くと、ほぼ毎曲悲鳴に近い歓声が上がるのが、すごく面白い。結構な頻度でシンガロングも。
アンコールまで引っ張った「Lovers Rock」のあの弦のサンプルが鳴った瞬間の爆発は本当にすごかった。
そんなリアクション、一部のV系バンドといくつかのフェスで観たボーイズグループでしか見たことがない。
そしてこういうファンを多く持っているのであれば「音源をなぞる」タイプのライブが正解だと、理解しました。

でももし彼女たちがTikTok経由でTV Girlという存在を認知したとして、SNSでバズって跳ねる場合、その好意は「曲につく」ことが多く、そのままその1曲だけで途方に暮れてしまうミュージシャンも割と多い中、この会場にいる人たちは、曲を気に入った後、きちんとその音楽を鳴らしている「人につく」形で他の曲もきちんと聴き込んだうえで来ているということを、すごくいいと思いました。
洋楽でのこういう流れを、もっと作っていければいいのにと、素直に思います。

言うても自分はさすがにインスタやTikTokはほぼ触りませんが、XのTLに流れてきたのを聴いてみて、そのままライブのチケットを検索するということも1度や2度ではないので、まだ行けるはずです。
他の周りのおっさんおばさんにも、より頑張るよう促して行きたい所存です。

2025年のTSUTAYAの閉店は約70店舗だったこと

毎年恒例のTSUTAYAの閉店店舗数のカウント。
自分はCD販売/レンタルを主に観察しているので、以下にはCD/DVDの販売・レンタルをやめてただの書店になりました、というパターンも含めています。

ということで、2025年は約70店舗減、ということになりました。
2022年は約130店舗、2023年も約130店、2024年は約110店の減でしたので、随分と落ち着いたように見えますが、実際のところ正味DVDレンタルを行っているTSUTAYA店舗は現状で400切っています。
単に「母数がもうたいがい少ないので減少数もその分減っている」だけのことだと思います。

01/05:TSUTAYA 三木店(兵庫県三木市)
01/12:TSUTAYA 龍ヶ崎店(茨城県龍ケ崎市)
01/13:TSUTAYA 由利本荘店(秋田県由利本荘市)
01/13:蔦屋書店 佐久野沢店(長野県佐久市)
01/13:TSUTAYA AZ平井店(岡山県岡山市中区)
01/15:TSUTAYA 高屋店(岡山県岡山市中区)
01/26:蔦屋書店 伊勢崎平和町店(群馬県伊勢崎市)
01/26:HIRASEI遊 TSUTAYA 三条四日町店(新潟県三条市)
01/27:TSUTAYA 大森町駅前店(東京都大田区)

02/02:精文館書店 TSUTAYA 北本店(埼玉県北本市)
02/09:旭屋書店 志木店(CD取扱終了)(埼玉県志木市)
02/09:TSUTAYA 富谷大清水店(宮城県富谷市)
02/09:TSUTAYA 岡崎大樹寺店(愛知県岡崎市)
02/09:TSUTAYA 岡崎牧御堂店(愛知県岡崎市)
02/09:TSUTAYA 藤原店(愛媛県松山市)
02/11:蔦屋書店 伊勢崎宮子店(群馬県伊勢崎市)
02/11:TSUTAYA 古新田店(岡山県岡山市南区)
02/24:蔦屋書店 南大沢店(東京都八王子市)
02/24:冨貴堂 豊岡店(北海道旭川市)
02/28:TSUTAYA 南郷13丁目店(北海道札幌市白石区)

03/09:TSUTAYA 江平店(宮崎県宮崎市)
03/16:TSUTAYA ジェームス山店(兵庫県神戸市垂水区)
03/16:TSUTAYA 西脇店(兵庫県西脇市)
03/20:平和書店 TSUTAYA 小倉店(京都府宇治市)
03/30:蔦屋書店 熊谷店(埼玉県熊谷市)
03/30:TSUTAYA 津田沼店(千葉県習志野市)
03/31:TSUTAYA 皆実町店(広島県広島市南区)

04/06:蔦屋書店 横越バイパス店 メディア館(新潟県新潟市江南区)
04/15:TSUTAYA 宇都宮インターパーク店(CD取扱終了)(栃木県宇都宮市)

05/06:TSUTAYA 木野店(北海道河東郡音更町)
05/07:TSUTAYA 倉吉店(鳥取県倉吉市)
05/11:TSUTAYA 高階店(埼玉県川越市)
05/11:WonderGOO TSUTAYA 富里店(TSUTAYAのみ終了)(千葉県富里市)

06/08:TSUTAYA 大崎古川店(宮城県大崎市)
06/15:HIRASEI遊 TSUTAYA 白根店(新潟県新潟市南区)
06/15:TSUTAYA 菊池店(熊本県菊池市)
06/18:TSUTAYA イオンタウン弥富店(愛知県弥富市)
06/22:TSUTAYA WAY 福崎店(兵庫県神崎郡福崎町)
06/29:TSUTAYA 松戸駅前店(千葉県松戸市)
06/29:TSUTAYA AVクラブ 近見店(熊本県熊本市南区)
06/30:TSUTAYA JR中野駅前店(東京都中野区)

07/06:TSUTAYA 浦安さくら通り店(千葉県浦安市)
07/06:蔦屋書店 青葉奈良店(神奈川県横浜市青葉区)
07/13:TSUTAYA ブックセンター名豊緑店(愛知県名古屋市緑区)
07/21:TSUTAYA 苫小牧店(北海道苫小牧市)

08/11:TSUTAYA 行徳店(千葉県市川市)
08/11:TSUTAYA 東広島店(広島県東広島市)
08/17:TSUTAYA 深江店(大阪府大阪市東成区)
08/17:TSUTAYA 高岡店(高知県土佐市)
08/20:TSUTAYA 総社東店(岡山県総社市)
08/31:TSUTAYA 八潮店(埼玉県八潮市)
08/31:TSUTAYA 昭島店(東京都昭島市)
08/31:TSUTAYA 篠山店(兵庫県丹波篠山市)
08/31:TSUTAYA 野市店(高知県香南市)

09/07:TSUTAYA 中野店(秋田県秋田市)
09/21:うさぎやTSUTAYA 矢板店(レンタル終了)
09/21:TSUTAYA 堺南店(大阪府堺市堺区)

10/11:TSUTAYA AVクラブ 神松寺店(福岡県福岡市城南区)
10/13:TSUTAYA 江木店(群馬県高崎市)
10/13:TSUTAYA 春日部店(埼玉県春日部市)
10/13:TSUTAYA 甲府荒川店(山梨県甲府市)
10/13:TSUTAYA 琴平店(熊本県熊本市中央区)
10/31:TSUTAYA 伊万里店(佐賀県伊万里市)

11/03:TSUTAYA 青森中央店(青森県青森市)
11/09:TSUTAYA 上越インター店(新潟県上越市)
11/30:TSUTAYA 村岡店(神奈川県藤沢市)

12/28:TSUTAYA 静岡西脇店(静岡県静岡市駿河区)
12/28:TSUTAYA 天美店(大阪府松原市)
12/31:TSUTAYA 浜松中央店(静岡県浜松市中央区)

(TSUTAYA 青森中央店)

2025年もバリバリ店を畳んでいたのですが、9月以降多少落ち着いた感。
正味、「畳むべき店を相当畳み終わった」感じもします。

ここまで減ってくると、完全な空白地域も生じてきます。
3月16日のジェームス山店の閉店によって、神戸市からTSUTAYA消滅。
政令指定都市からレンタルできるTSUTAYAが消滅したのは京都市に続いて2市め。

10月13日の甲府荒川店の閉店で、甲府市からTSUTAYAが消滅しました。というか山梨県に残るTSUTAYAは南アルプス市の店舗1軒のみになりました。

11月3日の青森中央店の閉店で、青森市からもTSUTAYAが消滅しましたが、青森県の場合は
下手したら日本一巨大なTSUTAYAではないかと思われる弘前店や、その他主要都市の5店舗にまだレンタル・販売のいずれかもしくは両方が残っています。
そこらのあたりを全体的に見てみます。

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<県庁所在地で「DVDレンタルできるTSUTAYAが消滅した」都市>
・青森市
・甲府市
・岐阜市(BOOKSTOREはあり)
・津市
・京都市(蔦屋書店等はあり)
・神戸市(BOOKSTOREはあり)
・奈良市(蔦屋書店はあり)
・鳥取市
・松江市

<「DVDレンタルできるTSUTAYAが消滅した」都道府県>
・京都府(蔦屋書店等はあり)

<「DVDレンタルできるTSUTAYAが1店舗しかない」都道府県>
・山形県(TSUTAYA 久保田店)
・山梨県(TSUTAYA 南アルプスガーデン店)
・岐阜県(草叢BOOKS 各務原店)1/4終了
・島根県(出雲店)
・山口県(山口葵店)

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<県庁所在地で「CDレンタルできるTSUTAYAが消滅した」都市>
・青森市
・甲府市
・岐阜市(BOOKSTOREはあり)
・津市
・京都市(蔦屋書店等はあり)
・神戸市(BOOKSTOREはあり)
・奈良市(蔦屋書店はあり)
・鳥取市
・松江市
・山口市(DVDレンタルはあり)
・長崎市(DVDレンタルはあり)

<「CDレンタルできるTSUTAYAが消滅した」都道府県>
・京都府(蔦屋書店等あり)
・山口県(DVDレンタルはあり)

<「CDレンタルできるTSUTAYAが1店舗しかない」都道府県>
・山形県(TSUTAYA 久保田店)
・山梨県(TSUTAYA 南アルプスガーデン店)
・岐阜県(草叢BOOKS 各務原店)
・島根県(出雲店)
・徳島県(田宮店)
・高知県(御座店)
・沖縄県(小禄店)

TSUTAYAのレンタルがない各府県も、まだゲオ他はあるのでレンタルそのものがなくなったわけではないのですが、全国の店舗数をカウントすると、DVDレンタルはTSUTAYAが371店、ゲオは878店。CDレンタルはTSUTAYAが264店、ゲオ382店。

今年の初めにCDレンタル取扱い店の数が全国合計で1000を切ったことを確認したのですが、この1年でもう650を切っています。

とはいえ、ここらへんの観察を始めたのが2010年頃からなのですが、その頃には「下手したら数年後には企業判断としてレンタルをばっさり切ることもあり得る」と考えていたので、正直すごく残っていると思います。

Beth Gibbons@すみだトリフォニーホールのライブのこと

12月2日は、Portisheadのシンガー、Beth Gibbonsのソロ来日公演。

Portishead全盛期は一度来日決定したものの中止。
昨年リリースされた初めての完全ソロ名義のアルバムがえらくよかったのですが、その年のフジロックに出演したもののそれだけのために苗場に行くという判断がお金のこともあってできず、今回の来日が発表された際もお金のことで一瞬迷いまして、でも会場がすみだトリフォニーホールと聞いて即決。

新日本フィルが拠点として使用するなど、主にクラシックの公演に使われるホールでやるとなれば、このアルバムのあの音をそういう音響で聴ける。あわよくばPortisheadの楽曲もそれで、と考えたら行かない判断などできません。

会場に入ってみるといかにもクラシックで使っている感じのホールで、実際音が出てみたら、下手したら普通のライブより全体の出音のボリュームは控え目なくらいのですが、分離と残響のキレが抜群にいい。そしてそういう音が彼女とバンドの出す声と音に抜群に合う。やったぞSMASH。

中央にBeth、後ろに上手からパーカション、キーボード、ドラマーが並び、Bethの横の上手側に主に弦と管をとっかえひっかえ演奏する2人、下手側にギターとベースを主に演奏する2人(ただし特に前の4人は曲毎にいろんな楽器を演奏)、という8人編成。

全体的なトーンとしてはアルバムの通り淡々と進むのですが、アルバムの中のそれなりだったはずの「静と動」が、もうとんでもないレベル。爆発的なダイナミズム。
まさかこのアルバムの音で「うおー!」という気持ちになるとは思わなかった。

音源からのダイナミズムの飛躍、という意味ではSigur Rosのライブを初めて観た時の感覚に近いかもしれない。つまり最高ですよ。

ということでセトリは以下の通り。

01.Tell Me Who You Are Today
02.Burden Of Life
03.Floating On A Moment
04.Rewind
05.For Sale
06.Mysterious(R)
07.Lost Changes
08.Oceans
09.Tom The Model(R)
10.Beyond The Sun
11.Whispering Love

EN1.Roads(P)
EN2.Glory Box(P)
EN3.Reaching Out

昨年の完全ソロ名義としては初のアルバム「Lives Outgrown」から全曲10曲、2001年のRustin Man(Paul Webb)との共同アルバムから2曲(R)、Portisheadからアンコールに2曲。
80分程度の短いライブでしたが、もうそれは濃密な時間でした。
というか、Portisheadを初めて聴いた時の「何だこれは!?」感を思えば、そこから約四半世紀を経て生で「Glory Box」聴けるとは思っていませんでした。つまり最高ですよ。

我々も含めて大変に盛り上がり、演奏はじっくり聴くものの各曲の終わりで盛んに拍手し声を上げる。日本ではそういうのを期待してなかったのか、前日がどんな感じだったかはわかりませんが、Bethは何か驚いたように笑いながら両手を広げ、ライブが終わった時にはもう満面の笑みで、普通にキュートなお姉さんだったところも大変によかったです。

終わった後の感覚は、もう少ししっとりした「幽玄」っぽい気持ちになるかと思っていたのですが、ライブ中は盛んに「うおー!」となっていたので、結局気持ち的には「すごくいいライブを観た」後のあのほくほくした感じでした。


で、今回のソロアルバムの音源を聴いて思っていたのは、トーンはあまり変わらなくとも「Portishead」的な音作りをできるだけ排しているな、ということでした。

打楽器は多彩に使用していてもPortishead的なあの特徴的なスネア音は一切聞こえてこなくて、だから今回のライブでもしPortishead楽曲をやる時にはどうするのだろう、というのは地味な興味のひとつでした。

そしてアンコール、ああ間違いなくあのスネア音が聞こえる。曲構成としては音源に近い。
で、ステージをよく見るとそのスネアを叩いているのはドラマーではなくパーカッションっぽい。

「Beth Gibbons」のライブなのだからドラムセットとしてはスネア置かんという意志の結果なのか、ダブ的なマナーとしてそういうこともあるのか、何となくそうなったのか。
よくわかりませんが、状況としてそういうのも何となく楽しい。いろいろ楽しい。

ということで、今年1-2を争うレベルの、「すげえものを観た」と心から思えたライブでした。


そしてすみだトリフォニーホール、一歩出たらアホみたいに飲み屋が並んでいる立地なの、大変にありがたい。
ホール出て数歩歩いて道渡った途端におでん屋に吸い込まれました。最高です。

The Pale Fountains「The Complete Virgin Years」のこと

The Pale Fountainsが大好きです。

初めて彼らに触れたのは、東海地区のテレビで時々流れていたバナナレコードのCM。
マーク・ボランのポートレイト(確かT.REX「The Slider」のジャケ写)が画面に映ってそのバックに何故か「Palm Of My Hand」のイントロが流れるという謎のCMで、その時は誰の曲か知らないまま聞いていました。

大学進学のために関西に引っ越すと、確か読売テレビに不定期に深夜の映画枠があり、それをしょっちゅう観ていたのですが、その枠のテーマ曲が「Bruised Arcade」で、特撮映画を特集した時にはゴジラとかが口から何がしか吐いている映像のバックに流れているのが随分と奇妙だったことを覚えています。

オリジナル・アルバムは2枚、CD化も割と早かったのでさくっと聴けたのですが、アルバム未収録のシングルも多く、そこらへんは中古屋でも割高で困っていたのですが、1999年の「Pacific Street」のリマスター再発の際に、アルバムのボーナストラックとして相当が収録されました。

収録されなかったのは、Virgin所属前のシングル1枚と、2ndアルバムからのシングル2枚分。
初期シングルは如何ともし難いとしても、2nd分はCD化してほしいなと当時少し思い、四半世紀経ってそう思ったこともとうに忘れた頃にいきなり「コンプリート音源集が出まっせ」の報。

とはいえCD4枚分も音源ないやろと思いながらトラックリストを見てみると、知らないタイトルがずらりと並んでいまして、そりゃ未発表音源とあらば買わんわけにはいかんと勇んで購入した次第です。

「The Complete Virgin Years」
CD1:アルバム「Pacific Street」と1stアルバムとそれ以前のシングル音源
CD2:「Pacific Street」制作時のラフ・ミックス
CD3:アルバム「…From Across The Kitchen Table」
CD4:「…From Across The Kitchen Table」からのシングル音源と、デモ音源

で、既初音源はきちんとコンプリートされているんか、という点。

Album
・Pacific Street (Disc1:1-11)
・…From Across The Kitchen Table (Disc3:1-12)

Single
・Thank You
 A:Thank You (Disc1:12)
 B:Meadow Of Love (Disc1:13)
 12INCH:(There's Always) Something On My Mind (Remix) (Disc1:14)

・Palm Of My Hand
 A:Palm Of My Hand (Disc1:15)
 B:Love's A Beautiful Place (Disc1:17)
 12INCH:Palm Of My Hand (Instrumental) (Disc1:16)

・Unless
 A:Unless (アルバム収録)
 B:Natural (アルバム収録)
12INCH:Unless (Extended Version) (Disc1:18)

・(Don't Let Your Love) Start A War
 A:(Don't Let Your Love) Start A War (アルバム収録)
 B:Love Situation (Disc1:20)
 12INCH:(Don't Let Your Love) Start a War (Extended Version)(Disc1:19)

・Jean's Not Happening
 A:Jean's Not Happening (アルバム収録)
 B:Bicycle Thieves (Disc4:2)

・…From Across The Kitchen Table
 A:…From Across The Kitchen Table (アルバム収録)
 B:Bicycle Thieves (Remix) (Disc4:2)
 12INCH:…From Across The Kitchen Table (Extended Version) (Disc4:1)
 12INCH:Thank You (Remix) (Disc4:4)
 LIMITED7:Just A Girl (Remix) (Disc4:3)

うん。全部入っている。
「Jean's Not Happening」のシングルの一部フォーマットにアルバムと少し異なるVer.があるという話は聞いたことがあるのですが、それはなかったです。

問題はCD2とCD4ですよ。
もうこれが楽しい。頭から終わりまで全く聴いたことがない曲もあれば、こっちの曲のイントロが、別の曲の間奏としてぶっこまれたりした結果、そのどっちでもないタイトルの「Reach」になったんだな、とか。

彼らは60年代のバンドLove及びArthur Lee の影響下にあるのですが、Loveの楽曲「7 And 7 Is」をもろにカバーしていて胸が熱くなったり。

ということで、1998年に出た未発表音源中心のコンピ盤「Longshot For Your Love」、2013年に出たVirgin所属前のの音源&ライブ盤「Something On My Mind」と今回のこの4枚組で、The Pale Fountainsとして残した音源はおよそ世に出たということでいいでしょうか。

とはいえ、フロントマンのMichael Headは現在も現役バリバリというか、Michael Head & The Red Elastic Bandとしてリリースした2022年のアルバムで、デビュー40年にして全英チャート6位というキャリアハイを叩き出し、来日公演も行っています。大変によかったです。

まだ当面彼の書くメロディは新しいの出てきますので、そっちも楽しく聴くことにします。

映画「DEPECHE MODE:M」のこと

11月26日は、DEPECHE MODEのライブ映画「DEPECHE MODE:M」の一夜限定全国上映。

DEPECHE MODEは1990年以降来日公演はなく、時を経るにつれて海外では巨大スタジアムが当たり前クラスのバンドになる一方、日本ではさして盛り上がることなくここまで来て、もう今後来日公演を観る機会はないだろうと思っているし、「MEMENTO MORI」ツアーも、イタリアまで観に行く豪胆な友人はいましたが、私はそこまで腹を据えられず。

だからこの映画には期待していたのです。
しかし。世界では10月28日から限定で上映されたものですが、映画の公式サイトがオープンした際にそこで上映館を見てみたところ日本での上映予定はなく、ライブはおろか映画すらスルーかよ、と落胆したのですが。
その後超限定で上映が行われることが決まりまして。

正確には10月28日の世界封切日に品川でプレミア上映会、11月19日には同じく品川でIMAX上映+石野卓球と山崎洋一郎のアフタートーク。そして26日19時から全国14館で上映されるという流れ。

東京では品川の他に亀有での上映があったので、そっちの方でチケット入手。
3600円。「映画」と思うと割高ですが、「本来観られないライブをパブリックビューイングで観るようなものである」と思えば安い。そう思うのだ。

会場に入るとおよそ満員に近い。でもMOVIX亀有のシアター4は172席ですから。
こちらは先行抽選受付ぶっこんで当たったのですが、その後気になって見てみたら、3日前の段階でまだチケット買える状況でしたので、やっぱり来日公演は無理だなと思いました。

ライブでは、デイヴが歳を全く感じさせない、踊ったりポーズを決めまくったりのパフォーマンスと、見た目や動きにはそれなりに歳を感じさせつつも変わらない抜群の美声をかましてくるマーティン。
ただ、映画は純粋なライブ・フィルムではなく、メキシコ公演にあたっての「死者の日」の話であるとか、ファンや周辺人物の声とイメージ映像をモノローグ的に挟みながら進みます。

正直最初の方はそんな映像いらんから純粋にライブだけ見せてくれんかなあと思いつつ、途中で声を上げたり立ち上がりたくなったりをこらえつつだったのですが、でも徐々にわかってきました。

「死者の日」という祝祭日を持つメキシコでの公演で、喪に伏せるのではなくその祭りのように歌い踊って故人を偲ぶ。

アンディ・フレッチャーの写真と共に披露された「World In My Eyes」を観た時、全部繋がりました。これ、この映画全部がフレッチへの追悼じゃないですか。
世界上映開始、そして日本でのプレミア上映日は10月28日。
これも「死者の日」が11月1日と2日であることを考えれば、当然そのタイミングに合わせたということで。

そもそも最新作「Memento Mori」が、そのタイトルからしてそういうことだったわけなんですけど、それを文字通り可視化した作品。
まさに彼らなりの「死者の日」でした。


それにしてもDepeche Modeのこの映画がこの日限定14館で上映。
「ROLLING STONES AT THE MAX」は12月10日-11日の2日間、IMAX61館。
前日観たPRINCEの「SIGN 'O' THE TIMES」は1週間、IMAX61館。

ここらへん、他の映画の都合もあるだろうけど、どういうふうに決めているのか正直よくわからない。