今週末のタワーレコード新宿店のこと

土曜にタワーレコード新宿店に行ってみたんですけどね。

タワーレコード新宿店は4フロア構成。
7階は新譜や特集、アニメ系、ジャニーズ系、V系。
8階はJ-POP全般・K-POP・女性アイドル系。
9階は洋楽全般。
10階はアナログ専門「TOWER VINYL」。

で、8階のJ-POPのフロアはエスカレーターで上がると、これまでならいつも新譜を大々的に展開するコーナーになっていて、直近でリリースされた有名どころやタワレコが推している若手ミュージシャンの新譜を置いた什器がずらっと並んでいるのですが、土曜に見たらこんな感じでした。

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シティポップの名作のアナログで再リリースされたヤツと、それ関連の7インチや中古LPが並んでいて。
こういう感じでイベント的にシティポップス系中心にアナログ再リリースするのに乗っかったものなのですが、正直、見た時引きました。
「ああ、いよいよ終わりは近いぞ」という気持ち。
今週はOfficial髭男dismのEPがリリースされていて、先週出た米津玄師もある。もちろん7階では大きく展開されているのですが、8階がこれというのは何ていうか、店舗としてはもう新しいものよりもこっちの方がビジネスになってしまうのか、とも思ってしまうわけです。

一方、7階にはこんな什器。

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NiziUは現状で「プレ・デビュー」という状態で、配信のみで4曲が世に出ているのみで、本デビューはこの秋の予定。
現状レコード屋で売るものなんかないのに、こういうことをしている。秋の本デビューまでに少しでも乗っかっておきたいということなのかもしれませんが、これも今後の店舗の未来の厳しさを暗示しているような気がして、非常にモヤモヤするわけです。

正直、今後の店舗の向かう先が可視化されてしまったような、そんな今の新宿。

CD店チェーン「ミヤコ」がギリギリなこと

複合書店型を除くと、全国チェーンと呼べるCD店は、タワーレコード、HMV、新星堂、山野楽器。
玉光堂とバンダレコードは会社としては一体化したので、これも全国チェーンか。
また、卸業に近いところで営業し、主にショッピングモール内で撤収したCD店に居抜きで代替店舗として入居する形で店舗を増やしていったBIG、We'sというあたりも一応全国チェーンと言えないこともない。

それ以外にも地方のみのチェーンでまだ「チェーン」の形で複数店舗が生き残っているのは静岡県のイケヤ、京都本店で関西近郊に展開するJEUGIA、四国のDUKE SHOP、熊本県のムラヤマ・レコード、そして大阪を中心に関西に展開していたミヤコがあります。

そのミヤコですが、2020年に入る頃には3店舗体制、それが4月7日にアリオ鳳店が、本来5月までは営業する予定なのを緊急事態宣言を受けた形で閉店、そして先日、2020年10月にイオン大日店を閉店するとの発表がありました。つまりそれ以降残るはイオンモール伊丹昆陽店1店のみ、ということになります。

そのミヤコ、2002年までは大阪・心斎橋の心斎橋筋に本店を持ち、なんばウォーク、なんばCITYにもそれぞれ出店するなど、関西では相当にイケイケな感じのチェーンでした。
1980年代と思われる店舗一覧には以下の店舗名。

心斎橋本店
専門大店
千日前店
尼崎店
泉北店
宝塚店
千里南店
千里北店
堺店
京都店
東京店

という感じの並び。
また、直営店の他にも暖簾分けのような形で各地に「ミヤコ」の屋号のレコード屋が出店していきます。その「暖簾分け」タイプの店舗で今も残っているのは埼玉県蕨市のミヤコ、石川県七尾市のミヤコ音楽堂、兵庫県姫路市のミヤコ。

前述の一覧の「東京店」が暖簾分け店舗として営業し、2013年に閉店した銀座のミヤコとイコールかどうかはわかりません。

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それでも少なくとも企業として「全国チェーン」になる野望はあったものと思われますが、結局関西の地方チェーンとして生きる道を選びます。
1990年代以降、外資系が入ってきてすごい勢いで郊外ショッピングモール型の店舗を増やしていったこともその理由にはあるのだろうと思います。
ネットで拾える最古の店舗網は2000年。

心斎橋店
なんば店(なんばCITY)
なんばウォーク店
泉北店
尼崎店
千里中央店
北千里店
高の原店

以上8店舗体制。これ以降、かなり激しめの出店と撤退を繰り返します。

心斎橋店(心斎橋筋)(1943-2002)
高の原店(サンタウン高の原)(?-2005)
なんばCITY店(?-2008)
千里中央店(センチューパル)(?-2010)
なんばウォーク店(?-2011)
北千里店(北センター専門店街)⇒北千里サティ店(?-2013)
泉北店(泉ケ丘駅北)⇒パンジョ店(?-2017)
尼崎店(尼崎神田中通り5)(?-2017)
京都大丸店(2003-2017)
三宮店(ダイエー三宮駅前店)(2005-2011)
布施店(ロンモール布施)(2005-2012)
塚口店(ダイエー塚口店3号館)(2005-2016)
しんかなCITY店(2008-2008)
堺ヨーカドー店(2008-2011)
高槻店(ジャスコ高槻店 2008-2014)
アリオ鳳店(2010-2020)
イオンモール神戸北(2011-2016)
イオン大日店(2011-2020)
イオンモール和歌山店(2014-2017)
イオンモール伊丹昆陽店(2014-NOW)
ニトリモール枚方店(2016-2016)
モザイクボックス川西店(2016-2019)

何とか10店舗前後の店舗網をキープしていますが、2016年あたりに完全に息切れし、徐々に店舗網が縮小、そして今に至ります。
ということで、本家が残り1となったことで、むしろ暖簾分けの店の方が後まで生き残る可能性が出てまいりました。七尾市のミヤコ音楽堂なんか今やほぼ電機店ですし。

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これまでも地方のチェーンが消えるのを見てきました。一度広げた店舗網が最後また1店舗まで減って、そしてそれも閉店した北海道の国原や富山県のフクロヤ。
店舗網を広げて企業としても大きくなって、その分小回りが利かずに複数店舗持った状態で一気に逝った石川県のヤマチクや香川県のタマル。

もうこういう時代、どれだけパッケージ販売の店がいるかっつったら、正直ここ1年で猛烈にストリーミングに人が流れている感はありますし、今ですらお店の総数は過大ではないかという気もしなくはないのですが、おっさんはやっぱり寂しいです。

イヤホンズ「Theory of evolution」のこと

アニメはわかりません。
あんまり触らないようにしています。自分がオタク気質であることは十二分に理解していますが、理解しているが故に自制が働くのです。
自分はギャンブルや風俗、ネトゲやソシャゲには一切手を出さないと固く心に誓って生きています。手を出した時点で少ない蓄えを全部吐き出して人生が崩壊することがおよそ見えているからです。
同じ理由でポケモンGOやドラクエウォークもやりません。やり始めたら「俺はポケモンマスターになる!」と言いながら会社を辞めてしまう自分が容易に想像できます。駄目です。

そして、だからアイマスにもラブライブも触らないようにしていますし、実在のアイドルではライブにまでは行っても、接触イベントには一切参加しないのです。うっかり接触行って柏木由紀とか須田亜香里クラスのに出くわしたら、その時点で人生終わりになるのわかっていますから。

どれだけ魅力的には見えても、アニメには触らないように生きていますので、声優の歌というのは「声優アイドル」の域を超えて「こっち側」に来たものしかわかりません。
具体的にCD持っているのは水樹奈々・坂本真綾・花澤香菜くらい。歌唱力とか、楽曲のクオリティとかでアニオタ外にまで聞こえがめでたい方々です。

で、今回Twitterに流れてきたのは「イヤホンズの『記憶』がヤバい」という声。とりあえずYouTubeで聴くじゃないですか。で、実際に非常にヤバいわけです。
一人の主人公の女性の3章に分かれた過去のエピソード。そのエピソードごとのサンプリング音とそれぞれの声の表現。それが4分45秒あたりからそれらのすべてが重なってすさまじく多幸感に溢れた怒涛のエンディングにぶち込んでいく。
サウンドプロデュースは□□□(クチロロ)の三浦康嗣氏。ていうかこれ、□□□で得た経験値ほぼ全部ぶち込んでいませんか。

そして思ったのは「この曲を表現するにあたって『声優』であることの必然性」。
例えば演じるキャラクターのCVでの歌唱とかでは必然性ありますが、キャラクター抜きにして「声優」であることがここまで楽曲のコアになっている曲って他に知らないので、すごく感心したのですよ。

これ聴いてアルバムを買うことを心に決め、でも思ったほど近所のCD店には置いていなくて、新宿のタワレコに出向いて今日入手して聴いた。何だこれ。
M-1、インタビューのコラージュで構成された「記録」から「記憶」の流れは抜群。アルバムは全体の半分は過去曲のリメイクですが、もう半分はリメイクとは言えない何かおかしなことになっています。
「記憶」も、過去に三浦康嗣氏が彼女たちに提供した「あたしのなかのものがたり」のアップデート版ということですが、もう完全に別物。

そして「記憶」以上に心奪われたのはM-7「循環謳歌」。
これは新曲なのですが、初回限定盤のCD-2に収録された「忘却」と「再生」という2曲を合成された曲になっていて。
どこまで伝わるかわかりませんが、コーネリアスの「STAR FRUITS SURF RIDER」の8cmシングル2枚組同時再生とか、3776の「静岡」と「山梨」を同時再生して初めて完全な楽曲になる「公開実験」とか、海外で言えばThe Flaming Lipsの4枚同時再生で全容が初めてわかる「Zaireeka」とか、そういうのをここでやっているのですよ。
しかもものすごくシンプルな「歌物」でそれをやる。この曲、すごく心に来るので是非聴いてほしい。ただでさえ心に来る曲でこういうことをやる。素晴らしい。

すごく感動したのですが、でも彼女たちがどういう作品でどういう役の声を当てているのかは知りませんし、でも調べないことにします。
人生が崩壊するかもしれないからです。

国道が曲名についた楽曲に246がやたら多いこと

乃木坂46の新曲「Route 246」、前曲の握手会がガンガン延期になっているというか、開催の目途すら立っていない中、さすがに新曲は盤で出すわけにもいかず配信限定、でもそこはそれ、小室哲哉を連れてきて話題作りは万全。

いざ聴いてみたら必要以上に小室哲哉で、これはどうしたものかと思っている最中ですが、そのタイトルと歌詞の塩梅もすごく気になりまして。
国道246号線といえば、千代田区は国会議事堂前の三宅坂交差点を起点にして、静岡県沼津市の国道1号線との結節点である上石田交差点に至る国道ですが、この曲は「Route 246」というタイトルではあるものの、抽象的な表現の歌詞の多い応援ソングで、沿線の風景等は一切描かれることはありません。

にしても、過去のJ-POP、歌謡曲を振り返るに、国道の号線をタイトルに付けた楽曲は「246」ばかり思い付きます。
歌詞サイトをざっくり検索したところ、15曲発見。

246 / 及川光博
246 / クラムボン
246 / Samurai Troops
246 / 椎名へきる
246 / paris match
246 / 福山雅治
246 / フラワーカンパニーズ
246:3AM / 稲垣潤一
246の幾何学 / 松田優作
246プラネットガールズ / 荻野目洋子
Route 246 / 乃木坂46
ROUTE 246 / LINDBERG
Route246 / Rei
コスモス246 / 渡辺徹
ルート246 / 深田恭子&The Two Tones

いずれの歌詞にも具体的な風景描写はあまりなく、要するに「国道246号線」である必然性はあんまりない。
ただ、246号線は途中では「青山通り」とも呼ばれ渋谷からは「玉川通り」になり、以降も東急田園都市線に沿ってたまプラーザ、青葉台といった高級住宅地をぬって走るいかにもな国道です。
そういう国道名をタイトルに冠することで、その曲にふわっとではありますが、都会的なイメージを被せることができます。
要するに「都市」「首都圏」を象徴する記号として「246」という文字列は使われているわけです。

ということを前提にして246号線の次に多く使われている国道はどれか、と予想したところ、まさに予想通り国道134号線。
横須賀市から大磯町までの海岸線沿い、「ザ・湘南」的な地域を走る国道。

134 / 角松敏生
134 / Rickie-G
R-134 波浪警報 / 村田和人
R134 / POSSIBILITY
R134~恋に落ちた海岸線~ / The NaB's
Route134 / 宮城伸一郎
ROUTE 134 / 杉山清貴&オメガトライブ

角松敏生とか、村田和人とか、杉山清貴&オメガトライブとか、すごくわかりやすくて納得です。

で、3位は意外に16号線。
関東近郊の方ならご存じ、一切都心には突っ込まず、首都圏の郊外を円状に結ぶ道です。

16号を下って / 小田和正
ROUTE 16 / TOM☆CAT
Route 16 / Do As Infinity
ROUTE16 / 童子-T
国道16 / Something ELse

これは「246」とは真逆のイメージ、決して都会ではない(でもド田舎ではない)というイメージを敢えて付加したい時に使える、ということではないでしょうか。

この3つ以外は2曲とか3曲程度でランキングにできるほどではないのですが、ガガガSPの「国道二号線」とか、GLAYの「Route 5 Bayshore Line」とか、KANの「青春国道202」とか、作詞したミュージシャンの地元であったり出身地を走る国道であることがほとんどです。

EXILE THE SECONDの「Route 66」、吉井和哉の「Route69」あたりは日本ではなくてアメリカの国道のイメージ。
BUMP OF CHICKENの「66号線」、L'Arc~en~Cielの「ROUTE 666」とかは、敢えて「実在しない」番号を付けることに意味があるのかな、と思います。

ということで、神奈川県西部や静岡県東部にお住まいの方は「246」と付いた曲名の曲を聴いても「地元の曲」と思ってはいけません。そこではありません。
でも、自分内のイメージを振り返るに、日本で一番「国道246号線」感がある歌手は小泉今日子(厚木市出身)。

sora tob sakanaのラストライブのチケット価格のこと

5月22日に解散とラストツアー、そして9月6日のラストライブを発表していたアイドルグループsora tob sakana。
ただ、そのラストライブをどのように開催するかは「詳細後日」という形になっていて。

ラストツアーは厳格なルールのもとで開催されているわけですが、昨日ようやく9月6日のラストライブの詳細が発表されました。

いろいろ事情はあります。でもやっぱり驚いたこの価格。
1回フェスに行ったらこれくらいかかる。それは普通に毎夏出している。
でも単独公演で自分が出した最高額って、U2の19,800円か中島みゆき「夜会」の20,000円かあたりが最大。

ただ、やっぱり事情が事情でもあり。
現状では会場いっぱいに詰め込むことはできない、普通に物販も行えない。アイドルならよくある特典会などの接触イベントなんかもってのほか。
あからさまにアイドルの「ビジネス」としての側面が削られまくっている中、どう振るまえばいいのか。
実際、2月下旬からここまでの間に、延期も開催も選べず、ただそのまま解散するしかなかったグループもひとつやふたつじゃありません。
ハロプロや乃木坂のメンバー卒業コンサートは延期されていますが、それはまだ本体がその先も生き続け、そして何よりも他の事務所よりは経営基盤が太いからできることでもあります。

また、彼女達より先に解散を発表したamiinAは、解散ライブを通常に近い形で行えるまで無期限延期を発表していますが、それは2人とも解散以降も恐らく事務所に残るから可能なのだと思います。
それでも経済的には厳しく、クラウドファンディングでもって資金を集めています。

逆に言えば、そういう「恵まれた」環境がなければ「延期」という選択肢は選べない。
オサカナの場合、経済的基盤の問題なのか、3人の契約や今後の予定による制限なのか、それはわかりませんが、とにかく「延期」を選べる環境ではなかった。
そして、後がないそういうライブで、きちんとビジネスとして適正な利益を得ることを考慮した場合、そりゃこういう価格帯になるということも理解します。
現段階で発表した「4時間」という尺も、集大成にするという意気込みと共に、時間単価として少しでも価格納得度を高くするためのものでもあるでしょうし。

2014年の第1期BiSの解散ライブでは10万円から果ては(結果として)1円までの幅広い価格帯のチケットが用意されましたし、2018年のX JAPANのライブ、最終日台風で中止になったヤツですが、この時は「プラチナ:98,000円、ゴールド:55,000円、通常:13,000円」という価格帯でした。
VIP的な高価格帯チケットを準備するという手は、このように過去からもあったことですし、今回特に取り沙汰されるようなことではありません。

でも今のこういう状況下、オサカナの運営が下したこういう判断は、今後「どうしてもライブをやりたい」ミュージシャンやアイドルにとってのひとつのスタンダードになりそうな気もしています。
そりゃ高い。高いけど、いくら出してでも観たい人がそれなりにいれば成り立つし、そういう人がある程度いれば埋まります。外野の人がどうこう言うことではありません。
ていうか、俺もチケット取りに動きます。取れたら当然行きます。こと本件については外野ではありません。

言うてもこれを生で観られる最後ですから。

ていうか、ラストアルバムに収録される新曲、思いきり「残響」的な音に寄せてきた。最後だからって。

最近のGEOのこと

各店、一斉の営業自粛や営業時間の短縮もありましたが、ようよう通常の営業時間に戻りつつあります。
今現状、戻ってええんかという思いもありますが、言うてもビジネスですから、ダメって言われなければ営業はします。

で、何となくこれまでと異なる雰囲気になっているのがGEOです。
TSUTAYAは前から申している通り、レンタル業については不採算店の撤退というよりは戦略的な撤退の方向に向かっていると考えているのですが、GEOについてはこれまで見てきた限りでは、総合リサイクルショップであるところのセカンドストリートへの転向やそれに伴う店舗移転以外は、比較的純粋に不採算店を閉店させている感があります。

で、そういう基本方針で近頃の撤退を見ていて、何となく気付いたことがあります。
以下、撤退予定まで含めてGEOの撤退店。

01/13:イッツモア+GEO 双葉店
01/19:GEO 竹ノ塚東店
02/24:GEO グランパレッタ熊本店
03/01:GEO 鵜沼店
03/22:GEO SPEED 仙川店
04/22:GEO 北見とん田東町店
05/10:GEO 江差店
05/31:GEO 余市店
05/31:GEO 函館人見店
05/31:GEO 駒沢大学店
06/02:文真堂書店GEO 阿左美店
06/28:GEO 福岡西新店(他店との統合)
06/28:GEO 姫路店
07/02:GEO 成瀬店(移転)
07/30:GEO 福島西バイパス店(移転)
08/10:GEO 森店
08/16:GEO 大子町店
08/23:GEO 太田店
08/23:GEO 北赤羽駅前店
08/23:GEO 福岡日佐店
08/30:GEO 鯵ヶ沢店
08/30:GEO 豊田東山店

えらい閉店してると思いきや、実は既存の書店にショップインショップの形で入る「+GEO」業態を含めれば、今年に入って12店舗も新規もしくは移転でオープンもしてるんですよ。
ただ、それらは首都圏や大都市近郊がほとんどで、地方の他にレンタルないよという地域に出店するという動きは皆無。

要するに、上記の閉店店舗でポイントになっているのが「江差(北海道)」「森(北海道)」「大子町(茨城県)」「鯵ヶ沢(青森県)」といったあたりです。
上記の地域の共通点は、「同じ地域にTSUTAYAもなく、この店が閉店したら車を使ったとしても簡単には他のレンタル店に行きようがない」こと。この店の閉店によって地域一帯の人が店舗型レンタルのサービスがほぼ受けられなくなるということです。

GEOがこうなっているということはつまり、「その地域が商圏として成立しなくなった」こととイコールです。
ネットのサービスへの移行および過疎化高齢化も相まってこうなっていると思われますが、ようやくそういう流れがわかりやすく可視化されてきました。
あとはこれがどこまで都市圏に近付いていくかということになりますが、正直今年のこういう状況でネットサービスへの移行は加速したと思いますので、けっこうあっさりいろいろ変わっていくかもしれません。

GUのO.M.D.とのコラボTシャツのこと

Twitterのタイムラインに怪しげな画像と情報が上がってきたため、慌てて捕獲に行きました。
GUのOrchestral Manoeuvres in the DarkとのコラボTシャツ。お値段はGUなので1着790円。

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GUはポケモンとかガンダムとかエヴァンゲリオンとか攻殻機動隊とかのコラボTシャツ出していて、そういうのはわかるんですよ。
でも、何でO.M.D.。他の若手バンドとかもっとしゅっとしたミュージシャンとかいるでしょうに、O.M.D.。
顧客層として薄いであろうおっさん層を呼び寄せる策かもしれませんが、圧倒的に呼べる層が狭い。
これ何でこういうことになっているのかさっぱりわからない。

同時にTheChemical BrothersのTシャツも出ていて、右下の黒いのはそっちなんですけど、そっちはまだわかるんですよ。
でも、品揃えはO.M.D.の方がいいんですよ。これ何でこういうことになっているのかさっぱりわからない。

ロゴTシャツは大きくプリントされたものとワンポイントで入っているものの2種。
ジャケットTシャツは1stアルバムとシングル「Isotype」の2種。初期と最近の、という選択基準だろうかと思ったのですが、これもっといいデザインのあるだろうと過去のジャケットざっと眺めてみたのですが、ありませんでした。
考えてみたらO.M.D.はジャケットのデザインだいたいダサいんだった。特に1990年代、マクラスキー1人時代のは、今考えてもあれ一体何だったんですか。

THE STALIN「trash」のこと

買うわけですよ、おっさんだから。ディスクユニオンで。

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THE STALINの再発アルバム「trash」が7月5日(日)付のオリコンCDアルバムチャートの1位になったのを見て笑った。
1981年、まだ日本では「インディーズ」という言葉も使われていなかった頃の「自主制作」盤。これの再発盤がデイリーとはいえ1位になった理由にはいくつかあるわけです。

  • 遠藤ミチロウの活動での初のオリジナル・アルバムにして、1981年のオリジナル・リリースとその直後の追加プレスの約3,000枚以外今に至るまで正規の再リリースがなかったこと
  • 歌詞等の内容が内容なので、ストリーミングには解禁されず、CDのみでのリリースであったこと
  • 再リリース日は7月1日ですが、そもそもCD販売に力を入れるミュージシャンももう多くなく、現状でCDでアルバムを買う層はそのミュージシャンの熱烈なファンが多くその販売数がフラゲ日に偏る一方、THE STALINを買う人は年寄りが多いので、フラゲ日に頑張る人もさほど多くなく、結果として日曜日に買った人が多かったこと

それでも、確かオリコンチャートに入った初めてのインディーズのレコードが1985年リリースの有頂天の「心の旅」。ネットのあちこちで「100位以内」って書いてありますが、確か300位まで算出していたフルチャートの200位台だったような記憶。それでも当時は「すごいすごい」という感じになっていて。そりゃNHKもインディーズの特集番組を組みます。

それが今やもはやCDチャートの意味が失われつつある時代、そしてSONYから離れた奥田民生が普通にインディーズチャートに入っていたり、「インディーズ」の枠組も当時とは随分変わりました。
そういう時期を経て、年寄り待望の、コテコテの「自主制作」時代の再発アルバムがインディーズでないCDチャートの1位になる時代。

これも「CD時代の終わり」を告げる象徴的な出来事のひとつ、ということになるのでしょうか。

横にそれると、有頂天はじめとするナゴム勢って、結果として他のインディーズとは異なる異質なムーブメントになっていて、私も大好きでしたが、今振り返ると、遠藤ミチロウとかハナタラシなんか話を聞くだけで恐ろしすぎて近づけないし、パンク勢でもまだまだ怖い、でも世の中の売れ線ではなく何か「尖った音楽」を好きでいたい、という当時の自分のような人間にとってとても都合のよい存在だったのだなあ、と今客観的に思います。
そういう存在だからこそ「ナゴムギャル」的なのが出てくるわけですよ。自分は納得している。

レコファンが全滅しないこと

前言撤回!

渋谷レコファンの閉店が決まったことでこういうことを書きました。

しかし現在のところ、渋谷店の他に秋葉原の高架下に店舗を出していまして、この件については何人かの方から指摘もいただいたのですが、もとより「期間限定」と銘打っていたため正式な店舗とはカウントせず、渋谷店の閉店によってレコファンの実店舗全滅という判断をして、そういうふうに書いたのですが。

それがここに来て、その秋葉原の店舗が本日まさかの正式な店舗への昇格宣言。昇格は2020年10月1日。

ということで、嘘をつきました。ごめんなさい。
しかし、あの渋谷店の在庫がここに収まろうはずもなく、というか秋葉原の比較的小奇麗な、HMV record shop的な佇まいは、渋谷店の魔境っぷりとは比較しようもないですし、在庫を保持するための大きな場所を新たに借りるという想像もしにくいため、渋谷店の処分セールは徹底的に行われるものと思われます。

みんな、渋谷BEAM店の閉店セールへ行こう。それはレコファンのためになります。

Dream Wife「So When You Gonna...」のこと

Dream Wife、2年半ぶりの2ndアルバム
1stアルバムは2018年の洋楽の中でも屈指の出来だと思っていたのですが、オルタナなサウンドの中にもどこかUKっぽさというか、もっと言ってしまえばニューウェイヴっぽさを感じていて、その感触はサマソニでライブを観て決定的になります。

観た時に「どう絞り込んでいくのだろうか」という感想を持ったのですが、果たして2ndアルバムは圧倒的にニューウェイヴの方に舵を切ってきました。
1stアルバムのメイン楽曲のように叫び、ギターを歪ませているのはアルバムタイトル曲の1曲のみ。あとは様々なエフェクトと様々なリズム、恐らくオルタナなところから出発した彼女たちが自分なりの様々な「実験」を行った結果のアルバムになっています。

正味、今の世の中どんな音を出したところでそうそう「実験」にはなりえなくなっているのですが、それでも彼女たちの中では間違いなく「実験」なのであろうことはわかります。1970年代末にWireが様々な無茶をやっているのを40年後に自分たちなりのフィールドで行っている感じで、「無垢な実験」という言葉で形容したくなります。

自分は断然こっちの方向性を応援したいです。正味Wire繋がりで言えば、Elasticaのアルバムよりはこっちの方がずっといいです。

自分が一番好きな曲はM-7「Rh Rn」。

リードトラック。1stの空気感を保ってはいる方だけど、この「ギター歪まない」感。