Rupert Hineが逝去したこと

6月4日、プロデューサーでミュージシャンでもあったRupert Hineが亡くなりました。
過去にも何人ものミュージシャンの訃報を聞いてきましたが、彼は自分の中ではとても重要な存在でありまして、少し昔話をさせていただきたく。

1982年から1983年にかけて、洋楽を聴き始めました。
1982-1983年はMichael Jacksonが「Thriller」をリリースし、Madonnaがデビューしたあたり。そして1983年にヒットしたアルバムで自分が一番気に入ったのはThe Policeの「Synchronicity」でした。
過去作品からの流れで今改めて考えれば、少々カッチリ作り込みにすぎるとも思えるのですが、当時は「何てかっこいいのだろう」「「Mother」の意味のわからなさは何なのだろう」と、夢中になって聴いていて。

一方、「Synchronicity」が売れまくっていたほぼ同じ頃にヒットチャートに入っていた曲がThe Fixxの「One Thing Leads To Another」。

ヒットチャート番組聴いていた時にけっこう「これ好き」と思ってはいたのですが、その後The Policeの「Synchronicity」に伴うツアーの北米公演の前座がThe Fixxであるという話を聞き、それならということでアルバム丸ごとRupert Hineプロデュースの「Reach The Beach」ごと聴いて一気に惚れ込みます。
ここで自分は初めて「サウンド・プロデューサー」という存在を知ることになります。
この年、Howard Jonesがデビューして、「What Is Love」がまたRupert Hineプロデュース。音的に納得感異常に高く、「プロデューサー聴き」の概念を把握します。

翌1984年、3rdアルバム「Phantoms」もやはりRupert Hineプロデュース、これも気に入ったのですが、この年Rupert HineはTina Turnerの復活作「Private Dancer」にも2曲のプロデュースで参加します。
その1曲「Better Be Good to Me」を聴いてふと気が付いたこと。「この曲のギター、The Fixxと同じ音じゃないか」。

やっぱりギタリストのクレジットはThe FixxのギタリストのJamie West-Oramで、ヴォーカルのCy Curninも参加。ついでにMVでも結構目立つ形で出演したりして。
Jamie West-Oramのあまりエフェクトで歪ませない音が大好きだったのですが、当時好きだったBARBEE BOYSのいまみちともたかのギターとの共通項を感じたりしていて。その流れで初期BUCK-TICKの今井寿の出す音も大好きで。


「Phantoms」以降、The FixxはRupert Hineから離れるわけですが、案の定自分にとっては「コレジャナイ」感ものすごく、ただRupert Hine自身の音楽プロジェクト、Thinkmanについてはえれえ大仰な音だなと思いつつも嫌いになれず、そこから遡る形でRupert Hine名義の過去のソロアルバムを聴いてから考えると、Thinkmanは明らかにTina Turnerプロデュース以降の音になっていることに気付きます。

そして、過去のソロアルバムは、1981年の「Immunity」は国内盤も出ているのであっさり買えたのですが、1982年「Waving Not Drowning」と1983年「The Wildest Wish to Fly」は当時は本当に見つからず、ここが自分が輸入盤屋中古盤屋を巡る発端となります。

そして今も四日市市内で頑張っている、当時は路面ではなく雑居ビルの2階にあったROOK RECORDSや、名古屋の当時は東海銀行ビルの地下にあったBANANA RECORDSとかに通うようになり、BANANA RECORDSで電気グルーヴの前身の人生の7インチを見つけたりしながら、どんどんあっちに進んでいくわけです。

というわけで、Rupert HineとThe Fixxは、自分の今に至るいろいろの発端になっておりまして、逝去の方で何となくセンチメンタルな気持ちになって書いてみた次第。
Apple Musicの日本語表記が「ロバート・ハイン」になっているとしてもだ。

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センチメンタル・バスがサブスク解禁になったこと

SONYの「DISCOVER the 90's」というのはよい企画です。
過去にSONY系レーベルに所属し、馬鹿売れしないままいなくなってしまった方々の音源を、こういう形でストリーミング解禁することで多少なりともニュース・バリューのある形で紹介しようというもので。

恐ろしいほどの存在感で、好きだったけどあんまり売れないんだろうなあ、と思ったら案の定売れなかった松崎ナオ。12cmシングル4連続リリース、どの曲も抜群で、今考えても何で売れなかったのかさっぱりわからないザ・カスタネッツ。ミクスチャーの日本のパイオニアにして世界最高峰のひとつだったSUPER JUNKY MONKEYあたりが思い入れ強いですが、今回遂にセンチバが来た。

全音源CDで既に持っているのですが、嬉しい。
何がすごいってこいつら今のところ「DISCOVER the 90's」で紹介されている中では一番売れているにもかかわらず、一番イビツな音だということ。
たとえば最大のヒット曲「Sunny Day Sunday」。ちゃんとしているようでサビのメロの裏で謎の奇声が確実に入っているわけです。正味だいたいの曲で「ポップソングとして成立させるために不必要な音」が鳴っている。
そして今回素晴らしいのはアルバム2枚だけでなくシングルも全部解禁になっているところ。というのは、センチバのシングルのカップリング曲は両A面の「WEED CROWN/サイクリングビート330」以外、表題曲以外は一切アルバム未収録で、かつ「とてもカップリングらしい曲」だらけ。お遊びだったり実験だったりオマージュだったり、もう何か余計なものがいろいろ爆発しているのです。

自分にとっての理想的なポップソングってこういうのだよなあ、と思いつつ、今アイドルグループに求めているのがそういう音楽なんだなと改めて気付く。メジャーなJ-POPにそういうのがいたら全然応援するんだけどな。

で、YouTube何かあるかと思ったら、ポップスとして一番「普通」な「アヒル」のMVしかない。
確か以前はテレビ出演時の、鈴木秋則はただ狂ったように大太鼓を叩いているだけの素敵な映像があったはずなのですが、何故か削除ではなく「この国ではブロックされています」状態に。
謎だ。

今のAKB系・坂道系のこと

とりあえずこういう世の中で、土曜も無観客ライブをネットで観たりしていました。
で、音楽番組がだいたい総集編になっていく中、ミュージックステーションとか一部の番組はいかに新たなコンテンツを制作して提供していくかいろいろ腐心しているようで、挑戦的な演出や企画も見られ、その創意工夫のプロセスを見るのが楽しかったりもします。

そんな中で、ほとんど見なくなってしまったのがAKB系・坂道系。これまでがやたら出ていた分、その落差がとても激しい。
でも考えてみれば、AKB系・坂道系はその存在からビジネスモデルがおよそ今の状況にアンマッチなわけで。

  • 大所帯が故にステージ上で「密」にならざるを得ない状況のため、グループとしての番組・イベントの出演のハードルが高くなる
  • テレビを筆頭に既存メディアでの露出に相当に依存しているため、番組制作が滞ると出演もてきめんに滞る
  • 最も重要なイベントである握手会等の接触イベントが、現状で以前のように行える目処の立ちようがない

AKB48乃木坂46の公式サイトを見てみると、「乃木坂工事中」はリモート等を使って、その他各メンバーのレギュラー番組は同じくリモートや総集編でこなしているようですが、レギュラー以外でのメディア出演は、AKBなんかSHOWROOMとかYouTubeとか、ほぼ地下アイドル同等のレベルでしか動けていないことがわかります。乃木坂は逆に地下アイドル的な活動を抑制しているようなので、各人のレギュラー以外ほぼない。
雑誌やWEB媒体のインタビューとかはあるので、ただ暇ではないとは思いますが。

それでもメディアとの連携が盤石であれば、ジャニーズのようにミュージックステーションの中で枠を持って各グループを順番に登場させる、なんてこともできるのですが、それもできていない。

これは推測ですが、2020年4月で元々グループとしてはAKSが海外グループの管理に専念することになり、AKB48、HKT48、NGT48がそれぞれDH、Mercury、Floraに運営が譲渡されているが大きいのではないかと考えます。
SKE48は2019年にAKSからゼストに譲渡、NMB48は元々吉本興業の子会社Showtitleの所属、STU48は元々瀬戸内地方の振興を目的とした官民組織の下部企業STUの所属。
2020年4月1日の段階で、国内のAKBグループは全て別企業による運営になっています。

これでグループ一丸となって何とかせえという方が難しいわけで、各グループごとの組織の限られた企画力とコストでもってやるしかない、ということではないでしょうか。

坂道系は、乃木坂46は乃木坂46合同会社、欅坂46と日向坂46はSeed & Flower合同会社、双方SONY MUSIC系列なので、ここは何とかすればできなくはないですが、ただ、こういう関係性もあったりして、要するに秋元康氏がどうこうというレベルではないところでステーク・ホルダーが既に複雑に絡み合っていて、現場の思い付きで何か簡単に立ち上げて実現できるような状況ではない、ということは想像できます。

ただ、じゃあ白石麻衣の卒業コンサートは、当初の予定通りに開催できるまでいつまで待たなければならないのか。いやわかる。彼女の「価値」を最大化するためにスタッフはこの数年本当にいろいろ仕掛けてきて、その集大成が卒業コンサートということですので、ビジネス的にマストだということはわかる。でも、じゃあそれまで彼女はずっと今の中途半端なままなのか。
そもそもAKB/坂道ともに幕張メッセに大行列の握手会というイベントは、今後容易に可能になるのか。当面不可能であると判断するのであれば、新曲をリリースすることにどこまで(ビジネスとしての)意味があるのか。とすると今後どういう活動になるのか。

正直、ビジネスとしては圧倒的に「よくできた」モデルですから、拡大再生産したくなる気持ちはわかる。俺もその立場だったら絶対そうする。
でもそれは結果としてビジネスとしての多様性に乏しい「モノカルチャー」的なところにハマってしまい、そのツケが今一気に来ています。

もう少し落ち着いた時、どう変えるのか。変えないのか。
というか、既存メディアがこの後どう動くかによっては「変わらざるを得ない」状況になるのかもしれませんが。

もう少しでCD店が全店営業再開すること

4月8日に、緊急事態宣言によって休業するCD店チェーンのまとめをして、5月14日にその再開っぷりをまとめたのですが、解除される地域も出てきたこのタイミングで、ここまでのプロセスをざっくり洗ってみようと思いました。およそ全店に近い再開が見えてきましたので、改めて現状を。
店舗数は、カフェとか楽器のみ等の業態を抜いたCD/DVDを扱っている店舗の数です。

タワーレコード(76店舗)

04/08:緊急事態宣言都府県の都市型店舗を中心に37店舗休業。
04/09:難波店休業。
04/11:秋葉原店・名古屋パルコ店・名古屋近鉄パッセ店休業。
04/16:金沢フォーラス店・京都店休業。
04/17:リヴィン光が丘店・吉祥寺店休業。
04/18:緊急事態宣言全国化により、全国の25店舗休業。
04/20:高松丸亀町店休業。
04/21:那覇リウボウ店休業。
04/23:久留米店休業。
04/25:香椎浜店休業。
04/29:若松店休業。
05/01:明石店休業。これで全店休業。

05/11:アリオ仙台泉店・上田店・明石店・高松丸亀町店・佐賀店営業再開。
05/13:下田店・盛岡店・郡山店・新潟店・鈴鹿店
05/14:仙台パルコ店・静岡店・アリオ倉敷店
05/15:秋田オーパ店・ららぽーと磐田店・イオンモール倉敷店・アミュプラザ鹿児島店・那覇リウボウ店
05/16:苫小牧店・高崎オーパ店・モレラ岐阜店
05/18:秋葉原店・リヴィン光が丘店・吉祥寺店・金沢フォーラス店・大高店・東浦店・難波店・あべのHoop店・くずはモール店・香椎浜店・若松店・久留米店
05/19:アミュプラザ博多店
05/20:名古屋近鉄パッセ店・アリオ八尾店・広島店・福岡パルコ店
05/21:八王子店・もりのみやキューズモール店・高槻阪急店
05/22:名古屋パルコ店・梅田大阪マルビル店・梅田NU茶屋町店
05/23:西武東戸塚店
05/25:津田沼店・汐留店・横浜ビブレ店・川崎店・藤沢オーパ店・神戸店・ららぽーと甲子園店
05/26:渋谷店
05/27:札幌ピヴォ店・アリオ札幌店・アリオ川口店・アリオ鷲宮店・アリオ上尾店・セブンパークアリオ柏店・アリオモール蘇我店・アリオ亀有店・グランツリー武蔵小杉店・アリオ橋本店
05/28:イオンレイクタウン店
05/29:ららぽーとTOKYO-BAY店・ダイバーシティ東京プラザ店・ららぽーと立川立飛店
06/01:浦和店・新宿店・池袋店・錦糸町パルコ店・町田店

全店営業再開(CAFE除く)。


HMV(56店舗)

04/08:緊急事態宣言都府県の都市型店舗を中心に36店舗休業。
04/18:緊急事態宣言全国化により、全国の18店舗休業。
04/20:洛北阪急スクエア・HMV&BOOKS OKINAWA休業。これで全店休業。

05/11:仙台E BeanS営業再開。
05/13:イオンモールつがる柏・イオンモール秋田・イオンモール浜松市野・イオンモール高知営業再開。
05/15:イトーヨーカドー宇都宮・イオンモール岡山・パークプレイス大分
05/16:イオンモール高崎・イオンモール太田・HMV&BOOKS OKINAWA
05/18:イオンモール水戸内原・イオンモール高岡・イオンモールナゴヤドーム前・イオンモール熱田・イオンモール岡崎・イオンモール扶桑・イオンモール木曽川・イオンモール各務原・イオンモール福津・イオンモール直方
05/20:栄・HMV&BOOKS HAKATA
05/21:洛北阪急スクエア・あべのキューズモール
05/22:HMV record shop 渋谷・グランフロント大阪・阪急西宮ガーデンズ
05/25:イオンモール浦和美園・イオンモール与野・イオンモール川口前川・イオンモール春日部・イオンモール羽生・イオンモール千葉ニュータウン・イオンモール八千代緑が丘・イオンモール成田・立川・HMVららぽーと和泉
05/28:イオンモールむさし村山・横浜ワールドポーターズ
05/29:HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE
06/01:札幌ステラプレイス・HMV大宮アルシェ・ららぽーと富士見・ららぽーと柏の葉・HMV&BOOKS SHIBUYA・ららぽーと豊洲・ららぽーと横浜・ラゾーナ川崎
06/03:HMV&BOOKS SPOT SHINJUKU

残り休業店舗:4(HMV record shop 新宿ALTA・HMV record shop コピス吉祥寺・HMVエソラ池袋)


新星堂(73店舗)

02/29:イクスピアリ店休業。
04/08:緊急事態宣言都府県の都市型店舗を中心に29店舗休業。
04/18:緊急事態宣言全国化により、全国の9店舗休業。
04/19:ザ・モール仙台長町店休業。
営業継続は39店舗。

05/11:加古川店営業再開。
05/12:天王寺ミオ店
05/13:イオンモール佐野新都市店・イオンモール桑名店・イオンモール宮崎店
05/14:ザ・モール仙台長町店
05/16:ゆめタウン広島店・キャナルシティ博多店
05/18:名古屋店・カラフルタウン岐阜店・イオンモール高の原店・京橋店・イオンモール四條畷店
05/19:難波店・小倉駅アミュプラザ店
05/21:セントラルパーク店
05/25:イオンモール木更津店
05/27:アリオ深谷店・アリオ葛西店
05/29:アルカキット錦糸町店
05/30:トレッサ横浜店
06/01:新越谷駅ビル店・草加マルイ店・イクスピアリ店・阿佐ヶ谷店・アトレ吉祥寺店・国分寺駅ビル店・横浜ジョイナス店・上大岡店・モザイクモール港北店・海老名店
06/03:ルミネ立川店

残り休業店舗:1(サンシャインシティアルタ店)


山野楽器(28店舗)

04/08:広島店を除く全店休業。
04/18:広島店休業。これで全店休業。

05/08:仙台店営業再開。
05/15:柏店・リノアス八尾店
05/16:丸広川越店
05/23:そごう大宮店・そごう川口店・ワルツ所沢店・そごう千葉店・西武池袋店・そごう横浜店
05/25:イオンモール浦和美園店、イオンモール北戸田
05/26:小田急新宿店・府中フォーリス店
05/27:丸広入間店
05/28:丸広上尾店・イオンモール東久留米店
05/30:辻堂店
06/01:銀座本店・調布パルコ店・セレオ八王子店・たまプラーザテラス店・新百合ヶ丘エルミロード店・相模大野ステーションスクエア店・ミウィ橋本店・ラスカ平塚店・本厚木ミロード店

残り休業店舗:1(成城コルティ店)


バンダレコード(31店舗)

04/08:緊急事態宣言都府県を中心に8店舗休業
04/13:イオンモールつくば店休業。
04/18:全国の9店舗休業。
営業継続は13店舗。

05/13:東北の5店舗営業再開。
05/18:イオンモールつくば店・イオンモール土浦店・イオンモール新瑞橋店・イオンモール名古屋茶屋店・イオンモール長久手店
05/25:綾瀬タウンヒルズ店
05/29:ステラタウン店・本川越ペペ店・ららぽーと新三郷店・テラスモール松戸店・ららぽーと海老名店・ららぽーと湘南平塚店
06/01:新所沢パルコ店

全店営業再開。


玉光堂(17店舗)

4月8日段階では原則通常営業。
04/18:札幌市・旭川市・釧路市・本州の7店舗休業。
営業継続は10店舗。

05/16:イオンモール発寒店・イオンモール旭川駅前店・イオンモール釧路昭和店営業再開。
05/18:イオンモール奈良登美ヶ丘店
05/20:セレオ甲府店
05/25:カテプリ新さっぽろ店
06/01:パセオ店

全店営業再開。


BIG(16店舗)

04/08:船橋店・座間店・堺鉄砲町店・りんくう泉南店休業。
04/18:全国の8店舗休業。
営業継続は4店舗。

05/13:東員店・津南店・徳島店・新居浜店・八幡東店営業再開
05/16:甲府昭和店
05/18:常滑店・大垣店・堺鉄砲町店・新居浜店
05/28:船橋店・座間店

全店営業再開。


We's(10店舗)

04/18:旭川店休業。
04/25:鹿児島店休業。
営業継続は8店舗。

05/07:鹿児島店営業再開。
05/16:旭川店

全店営業再開。


イケヤ(4店舗)
04/18:イオンモール浜松志都呂店・MARK IS静岡店休業。
営業継続は2店舗。

05/07:MARK IS静岡店営業再開。
05/13:イオンモール浜松志都呂店

全店営業再開。


JEUGIA(6店舗)

04/08:三条本店を含む全店舗休業。

05/18:イオンモール久御山店・上本町近鉄店・イオンモール茨木店営業再開。
05/20:草津A・SQUARE店
05/22:三条本店・JEUGIA Basic.

全店営業再開(教室は未再開)。


MIYAKO(3店舗)

04/08:アリオ鳳店の閉店決定。イオンモール大日店・イオンモール伊丹昆陽店休業。

05/18:イオンモール大日店・イオンモール伊丹昆陽店営業再開。

全店営業再開。


TSUTAYA(書店のみ含め1200弱くらい)

各店舗の状況は追い切れませんが上記リンク先で「現在休業している店舗」の確認は可能。
5月14日段階では全国で75店舗→28日段階では24店舗。
都心型のショップと、空港の店舗が中心。


残りあと少し。
タワーレコードはカフェ業態を除いて6月1日に全店再開。
HMVは、札幌ステラプレイスの店はHMVのサイト上ではまだ再開とは言ってませんが、ステラプレイスの方で6/1にほぼ全店営業再開と言っているのでそれに揃えました。
新宿ALTA、コピス吉祥寺は現在も全館休業。エソラ池袋は他の店舗はだいたい開いているのにHMVはまだ開けないという、一番の慎重派。
新星堂は残りはサンシャインシティアルタ店のみですが、予定ではサンシャインシティの休業は5/31までということですので、何もなければ6月1日再開になるはず。
山野楽器は成城コルティ店のみですが、現状でコルティが一部店舗除いて再開の告知まだなし。
バンダレコード新所沢パルコ店、玉光堂パセオ店は双方公式サイトではまだ告知はありませんが、新所沢パルコとパセオが6月1日の再開を告知しているので入れました。

ようやくという感じではあるのですが、この先にも死ぬほど課題はあるわけで。
たとえば、Spotify。世界の数字ではありますが、アクティブユーザー爆増です。当たり前と言えば当たり前。果たしてどれくらいの層がデータに流れて、フィジカルに戻らなくなるのか。

あとは「インストアイベントができない」という、店・ミュージシャン双方に相当に重い問題。というかインストアのみでなく「集客目当てのイベント」自体安易に開催できません。
大型店の場合は店内のイベントスペースどうするの問題。タワーレコード渋谷店の5階とか錦糸町店みたいな「陳列販売よりむしろインストア」みたいな位置付けのところは正直もう何もすることがありません。
ショッピングモールのテナントの小型店も、モール内のイベントスペースで、モール全体への集客装置としてミュージシャンのミニライブとかをやっていたわけですが、それも難しい。

ので、再開までは既定路線としても、ここから後は正直店舗の「リストラ」が開始されると思っています。
客が戻らないような店舗があれば、けっこうあっさりやられるのではないかと。イベントでもって客を呼べないのであればなおさらで。
「インストア」って、それ自体は興行ではないので、今後イベントへの補償が始まったとしても対象外だし、なかなか厳しい。

だからBiSHが「CDのみリリースのベスト盤」を出すのも、思想としてそもそもアウト・オブ・デイトだとしても、気持ちは非常によくわかるのです。

とりあえず、次に新宿行けるようになったら、タワレコ新宿店とユニオンで爆買いの予定。そもそもアウト・オブ・デイトだとわかっていてもだ。

配信でベストテンを占めてしまったこと

またチャートの話。
オリコンの最新の合算シングルチャート、瑛人の「香水」が2週連続1位ですが、今週のチャートの異常さはCDシングルチャートと見比べるとわかります。
CDシングルチャートの方を見てみると、1位はKing Gnuの常田の別プロジェクト、millennium paradeのシングルですが、これを合算チャートで見てみると11位。
要するに今週はCD売上の力が全く及ばず、ほぼダウンロード&ストリーミングのポイントのみでベストテンを占拠されてしまったということです。

前回も申し上げた通り、これはCDショップが多数休業していたり、新譜のリリースが延期されたりといった現在の特殊な事情によるものですが、でも数年後かいつか、いずれ訪れる状況を先取りして実現してしまったような感じです。

また、今週の興味深い点がもうひとつ。
オリコンとビルボードのチャートが非常に近しいという点。順位の入れ替わりはありますが、ベストテンに登場する楽曲はすべて同じです。
これは、CDの売上数が過去になく最小化したために、CD売上をポイント化する際に生じる差も最小に、そして現在ビルボードチャートはカラオケの指数を集計から除外していますので、結果として比較する値が両社今までにないくらい「共通」化してしまったが故の現象であると思われます。

瑛人に次いで2位に付けているYOASOBIは、ボカロ系のコンポーザーとシンガーソングライターの2人組。
調べてみると、小説&イラスト投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説をベースとして楽曲化するユニットということで、過去に楽曲の映画化・ノベライズというのは聞いたことがありますが、「小説のミュージカライズ」という、今のところは唯一無二のスタイルです。

「monogatary.com」に投稿された小説の中で評価の高いものには様々な賞が贈られる形になっていて、その中に「自分の小説を楽曲化・MV化してもらえる」賞というのがあり、その楽曲担当がYOASOBIという、かなりサイトの構造に深めに食い込んだ位置にいるユニットと言えます。

ですので、こういう状況下とはいえ、チャート上位に入ることでYOASOBIへの注目度が増えると、より一層「賞」の重みは増し、「monogatary.com」も繁盛するという仕組み。

瑛人もYOASOBIも現状はインディーズですが、「monogatary.com」がソニー・ミュージックの運営ですので、YOASOBIの方は恐らく紐付きです。
というか、今後その「賞」が新人ミュージシャンをデビューさせ、ヒットさせるための装置になる、ということになるのかもしれません。
広く訴求できるメディアがもうこの世にはないなら、狭くてもそこに集まる人間に確実に「刺さる」メディアを自分たちで作り出す。
こっちはこっちですごいことになっている。ソニーらしいっちゃソニーらしいんですけど。

オリコンでCDリリースの無い楽曲が1位になったこと

そうだ。今週のオリコン、合算シングルチャートで遂にCDリリースのない楽曲が1位になりました。
瑛人の「香水」。

2019年4月にインディーズで配信リリースされた楽曲ですが、TikTokやYouTubeでの「歌ってみた」「弾いてみた」が少しずつ増えていき、その中にはFANTASTICS from EXILE TRIBEの中島颯太がいたりしたこともあり、今春あたりからその勢いが爆発的になり、結果として元曲もこういう状態になったということで。
シンプルなメロと演奏と、暗喩的なところの一切ない、聴いたまんまの歌詞の直球ラブソング。確かに一番広く訴求できるタイプの楽曲ではあります。

1位とはいえ20,000Ptに満たないという超低水準、すごい勢いで全国のCD販売店が休業し、元々この時期に決まっていた各ミュージシャンの新曲リリース日ががんがん後倒しになっているこの時期だから1位になれたということは間違いないのですが、ただ、チャートアクションを見ると、すごい「懐かしい」気持ちになります。

リリース日:2019/04/21
2020/05/04:22位(初チャートイン)
2020/05/11:3位
2020/05/18:1位

1970年代後半以降のアイドル勢がその端緒となり、おニャン子クラブで決定的になり、それ以降当たり前になっていった「リリース初週で初登場1位」が令和のこの時代にまた当たり前でなくなりつつあります。きっと今後こういうのが増えていくことになるのでしょう。
もちろん、またリリースが元通りになればこんなわかりやすい事象は起こりにくくはなるのでしょうけど、多分数年後には拮抗するくらいにはなっているのではないかと。
そして日本でもCDリリースを一切伴わないミュージシャンが最前線にいたりして。
正直、瑛人さんにはたぶんメジャーレーベルの担当がすごい勢いでアプローチしていて、そのうちCDも出ることになると思いますが。

ただすごく困っているのが、オリコンの月極有料サービス「YOU大樹」での配信楽曲の扱い。
オリコンのミュージシャンやCDのデータベースは膨大で、今も非常に利用頻度が高いのですが、そのベースになっているのはCD。要するに発売されたCDの相当数をさらえてデータベース化する、それが全部の基礎になっているのです。
なので、「瑛人」で検索するとこの通りです。

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オリコンの現在の様々な情報のベースはどこまで今後の状況についていけるのだろうか、と少し心配になっています。
正直、今の状況を知るにはビルボードの方が間違いなく有能なのですが、ただ、過去からの連続性を確認する場合にはオリコンは捨て難く。
でもその連続性をオリコンは今後維持できないような気もするのです。この体たらくでは。

休業したCD店と営業再開のこと

4月8日に、緊急事態宣言によって休業するCD店チェーンのまとめをしたのですが、解除される地域も出てきたこのタイミングで、ここまでのプロセスをざっくり洗ってみようと思いました。
店舗数は、カフェとか楽器のみ等の業態を抜いた、一般的なCD/DVDを扱っている店舗の数です。

タワーレコード(76店舗)

04/08:緊急事態宣言都府県の都市型店舗を中心に37店舗休業。
04/09:難波店休業。
04/11:秋葉原店・名古屋パルコ店・名古屋近鉄パッセ店休業。
04/16:金沢フォーラス店・京都店休業。
04/17:リヴィン光が丘店・吉祥寺店休業。
04/18:緊急事態宣言全国化により、全国の25店舗休業。
04/20:高松丸亀町店休業。
04/21:那覇リウボウ店休業。
04/23:久留米店休業。
04/25:香椎浜店休業。
04/29:若松店休業。
05/01:明石店休業。これで全店休業。

05/11:アリオ仙台泉店・上田店・明石店・高松丸亀町店・佐賀店営業再開。
05/13:下田店・盛岡店・郡山店・新潟店・鈴鹿店営業再開。
05/14:仙台パルコ店・静岡店・アリオ倉敷店営業再開。
05/15:秋田オーパ店・ららぽーと磐田店・イオンモール倉敷店・アミュプラザ鹿児島店・那覇リウボウ店営業再開。
05/16:高崎オーパ店・モレラ岐阜店営業再開。
16日の段階で76店舗のうち20店舗営業。


HMV(56店舗)

04/08:緊急事態宣言都府県の都市型店舗を中心に36店舗休業。
04/18:緊急事態宣言全国化により、全国の18店舗休業。
04/20:洛北阪急スクエア・HMV&BOOKS OKINAWA休業。これで全店休業。

05/11:仙台E BeanS営業再開。
05/13:イオンモールつがる柏・イオンモール秋田・イオンモール浜松市野・イオンモール高知営業再開。
05/15:イトーヨーカドー宇都宮・イオンモール岡山・パークプレイス大分営業再開。
05/16:HMV&BOOKS OKINAWA営業再開。
16日の段階で56店舗のうち9店舗営業。


新星堂(73店舗)

02/29:イクスピアリ店休業。
04/08:緊急事態宣言都府県の都市型店舗を中心に29店舗休業。
04/18:緊急事態宣言全国化により、全国の9店舗休業。
04/19:ザ・モール仙台長町店休業。
営業継続は39店舗。

05/11:加古川店営業再開。
05/13:イオンモール佐野新都市店・イオンモール桑名店・イオンモール宮崎店営業再開。
05/14:ザ・モール仙台長町店営業再開。
16日の段階で73店舗のうち44店舗営業。


山野楽器(28店舗)

04/08:広島店を除く全店休業。
04/18:広島店休業。これで全店休業。

05/08:仙台店営業再開。
05/15:柏店・リノアス八尾店営業再開。
05/16:丸広川越店営業再開。
16日の段階で28店舗のうち4店舗営業。


バンダレコード(31店舗)

04/08:緊急事態宣言都府県を中心に8店舗休業
04/13:イオンモールつくば店休業。
04/18:全国の9店舗休業。
営業継続は13店舗。

05/13:東北の5店舗営業再開。
16日の段階で31店舗のうち18店舗営業。


玉光堂(17店舗)

4月8日段階では原則通常営業。
04/18:札幌市・旭川市・釧路市・本州の7店舗休業。
営業継続は11店舗。
現状で休業店舗は休業を継続。
16日の段階で17店舗のうち11店舗営業。

BIG(16店舗)

04/08:船橋店・座間店・堺鉄砲町店・りんくう泉南店休業。
04/18:全国の8店舗休業。
営業継続は4店舗。

05/13:東員店・津南店・徳島店・新居浜店・八幡東店営業再開
16日の段階で16店舗のうち9店舗営業。

We's(10店舗)

04/18:旭川店休業。
04/25:鹿児島店休業。
営業継続は8店舗。

05/07:鹿児島店営業再開。
16日の段階で10店舗のうち9店舗営業。


イケヤ(4店舗)
04/18:イオンモール浜松志都呂店・MARK IS静岡店休業。
営業継続は2店舗。

05/07:MARK IS静岡店営業再開。
05/13:イオンモール浜松志都呂店営業再開。
16日の段階で全4店舗営業。


JEUGIA(6店舗)

04/08:三条本店を含む全店舗休業。
16日の段階で全6店舗休業中。


MIYAKO(3店舗)

04/08:アリオ鳳店の閉店決定。イオンモール大日店・イオンモール伊丹昆陽店休業。
16日の段階全2店舗休業中。


TSUTAYA(書店のみ含め1200弱くらい)

各店舗の状況は追い切れませんが上記リンク先で「現在休業している店舗」の確認は可能。
5月14日段階では全国で75店舗。
ただし、中には5月1日で実質的には営業終了し、月末まで臨時休業の上で31日に正式に閉店する東村山店みたいなのも混じっているので面倒臭いです。


こんな感じ。
一番長いのは、新星堂イクスピアリ店。2月29日に東京ディズニーリゾートが休業したのに伴ってイクスピアリも全館休業し、現在も開いていません。
店を休業したけど最短で営業再開したのはタワーレコード明石店で、5月1日から10日の10日間。何だよそれって一瞬思いましたけど、それでも昨今10連休ってなかなかありません。

休業は各チェーンの判断によるものもありますが、そうでないものもあります。
滋賀・京都・大阪に6店舗あるJEUGIAは、近畿の音楽教室や全国のカルチャー教室運営が現在はメイン業態であり、CD/DVDの売上は会社全体の売上の1割にもなりません。
教室業務はどうやっても「3密」が避けられないので休業せざるを得ず、それに合わせてCD/DVDも閉店した方が会社全体のオペレーションとして都合がいいと考えられます。

一方、そうでないチェーンの事例でわかりやすいのがBIGとWe's。他の屋号のCD店が閉店したその跡地にほぼ居抜きで入ってオープンするという手法で、全国に実にまばらに店舗網を持つ両チェーン。

BIGは全国16店舗のうち一切休まず営業継続しているのは4店舗ですが、We'sは全国10店舗のうち8店舗営業継続できています。
この差はテナントとして入っているショッピングモールの方針によるものです。

たとえばイオンモールやららぽーと、アリオは、最初に緊急事態宣言が出た7都府県には8日から、全都道府県に緊急事態宣言が拡大した際には18日から、一部を除いてほぼ全てに近いモールの専門店街を、有無を言わさず休業としました。
一方「モール」ではないイオンショッピングセンターやイトーヨーカドー、アピタ等は、開店閉店の判断を各テナント企業に委ねたところが多く、そうなると大手の一部以外はそりゃ営業継続します。

で、BIGとWe'sの違いは、BIGはイオンモールやららぽーと多め、We'sは「モール」じゃないイオンやアピタ多め、という理由によるものということになります。

営業再開はほとんどが入居している商業施設の再開に伴うもので、今のところはあんまり各チェーンの自己判断によるところは多くありません。

で、今回の店舗の中で一番悲惨度が高いのがミヤコ アリオ鳳店。元々5月中旬に閉店する予定だったのですが、4月8日にアリオ専門店街が休業した段階で、最終営業日を4月7日として閉店するという判断をしたのです。結局休業期間は5月7日以降に伸び、その判断は悲しくも大正解。
まあ、80年代には関西の雄として心斎橋や難波で大きな顔をしていたミヤコが、残るはイオンモールの2店舗という時点でもう悲しいんですけど。

あともう一店悲惨なのが、上記の一覧にはないのですが、レンタルのビデオ合衆国USV中村書店。
3月31日にレンタル貸出を終了し、実質既に閉店しているのですが、4月4日から開催予定だった閉店在庫一掃セールを開催できずにいる状態がずっと続いています。

USVはここ2年ほどで急速に衰え、今や愛知県で中村書店除くと残り1、あとは兵庫県に2店の合計3店舗という崖っぷち。
こういう状況、閉店セールは最後にキャッシュをかき集められる機会なわけで、是非とも開催したい。が、それで今何のケアもなく開催して大量に人が集まったら現状そこは地獄でしかなく、でも開催せずに業者に売れば高値付けられるものも含めて什器ごと買い叩かれるだけ。かといってずっと店を開けずにそのままいれば維持費はかかる。

これ、中の人はすごい勢いで、どう振るまえば最もマシかというのを計算しているのではないかと思います。
いや、本当にいろいろと。

大規模ライブ会場のオープンが遅れていること

去年9月に2020年にオープンする大規模ライブ会場のことを書きました。
オリンピックで幕張やら武道館やらが使えなくなることを踏まえ、この春に続々オープンする予定だったのが、今やその思惑もシオシオです。

で、実際現状はどうなってるのというのをざっと確認してみました。

KT ZEPP YOKOHAMA(みなとみらい・3月7日開業予定)
こけら落とし公演(ネオロマンス HYPERMIXライヴ)開催見送り、以降6月上旬まで公演実施予定無し。
3月28日のみ、公演予定だったDIR EN GREYが無観客ライブ開催。

TACHIKAWA STAGE GARDEN(立川・4月12日開業予定)
こけら落とし公演(辻井伸行/加古隆/レ・フレール)開催延期、以降6月中旬まで公演実施予定無し。
こけら落とし公演は来年4月11日に延期、こけら落としとして企画さ入れたライブがこけら落としではなくなりそうな事態に。

ぴあアリーナMM(みなとみらい・4月25日開業予定)
こけら落とし公演(ゆず)開催延期、以降6月中旬まで公演実施予定無し。
レペゼン地球の6月2-3日の公演も中止決定、この人たちはこっち方面は本当に「持ってない」と思います。

東京ガーデンシアター(有明・5月3日開業予定)
こけら落とし公演(吉川晃司)公演延期、以降7月まで公演実施予定無し。
公式サイト、延期・中止になった公演を全部スケジュールから消すのやめてほしいです。
拾えたところでは、以下が全部延期か中止です。

05/03:吉川晃司
05/04:吉川晃司
05/05:吉川晃司
05/06:Brian Wilson
05/07:Halsey
05/08:Avril Lavigne
05/09:sumika
05/10:sumika
05/12:Ms. Lauryn Hill
05/13:Avril Lavigne
05/14:Avril Lavigne
05/15:The Pussycat Dolls
05/16:Dream Theater
05/26:Official髭男dism
05/27:Official髭男dism
05/29:LUNA SEA
05/30:LUNA SEA
05/31:LUNA SEA
06/02:JUICE=JUICE
06/03:JUICE=JUICE
06/06:田村ゆかり
06/07:田村ゆかり
06/09:斉藤和義
06/10:INABA/SALAS
06/11:INABA/SALAS
06/14:小倉唯
06/20:小沢健二
06/21:小沢健二

自分はヒゲダンの5月26日取れていたので、本当に悔しいです。

で、いろいろやりきれないのは、こういう大きい会場ではないのですが、3月の公演を延期したけど早々に6月に代替公演を予定し、結局再延期とか中止になってる事例。
特にスタンディングでライブハウスに詰め込む形のライブとか、以前のように実施できるまでいつまでかかるか正直わかりません。
そこらへん主催者側も理解したのか、最近の告知では、中止も多くなり、延期にしても秋以降とか、来年の同じ頃とか、未定とか、そういう感じの発表になりつつあります。

昨日、下北沢サウンドクルージングの中止が決定しました。サーキット型のイベントというのは「ライブハウスでの三密」→「下北沢の街を歩く」→「ライブハウスでの三密」→「下北沢の街を歩く」を繰り返すという、現状では相当よろしくない形式ですので、止むを得ないのですが、それでもやっぱりやりきれない。
サーキット型のイベントがいつ再開できるのか、そもそもライブハウスでみちみちになってアガれる日がいつ来るのか。

この冬、新型コロナ以外のインフルエンザや既知の感染症起因で亡くなった方は今年は随分減ったと聞きます。
「新型コロナ」をこの後どう捉えて生活がどのようになっていくのか。本当にこれからどうなっていくのかわからなくて、ただ大きいところは資本的にもまだ何とかなるだろうと思いながら、小さいライブハウスの通販とかクラウドファンディングにぶっこむ日々なのですが。

生きよう、生かそう。

サブスクに楽曲がない理由を考えたこと

先日はストリーミングサービスに楽曲がない事例をいくつか拾ってみたんですけど、次に考えるのは「じゃあ何でないんだろう」ということ。
ゴールデンウィーク中、Apple MusicやSpotifyでいろいろ検索しながら、「聴きたい曲がない」理由はいくつかのパターンに分けられるのではないかと思い、やってみた次第です。

■一部のレーベルの音源だけないパターン
邦楽でも、レーベル移籍の経験があるミュージシャンで、こっちのレーベルの音源はあるのにこっちのレーベルのはない、というパターンが散見されますが、こと海外の80-90年代にデビューしたミュージシャンの場合、初期の零細レーベルからの音源が見当たらないというパターンが非常に多いです。
Primal Screamのデビュー・シングル「All Fall Down」は知り得る限りでは、バンドとして公式にCDとして出したのは日本限定のベスト盤「Shoot Speed (More Dirty Hits) 」だけですが、ストリーミングの場合、原則日本限定盤とかあんまりありませんので、盤自体がありません。なので、現状ストリーミングで「All Fall Down」を聴く手段がありません。

■シングルのカップリングまで手が回っていないパターン
シングルのA面曲はアルバムなりベスト盤なりに収録されることがほとんどですが、ストリーミング楽曲のケアがシングルまで行われていない場合、「カップリング曲集」みたいなアルバムをリリースしていなければ、カップリング曲が置いてけぼりになります。
New Orderで一番好きな曲は「Let's Go」という方、自分も含めて少なくないはずなのですが、この曲は、ほとんどデモ状態のインスト・ヴァージョンがサントラに収録された後は、シングル集「Substance」リリースにあたっての新録曲「True Faith」のシングルリリース時のカップリングとしてリリースされた「1963」が、「The Best Of New Order」に収録されるにあたってリメイクされてシングルとしてリリースされた時のカップリング曲がヴォーカルまで入った完パケの「Let's Go」だったという非常に面倒臭い楽曲。
収録されているのは「1963」の一部種のシングルと、ボックスセット「Retro」と、コンピ盤「International」の一部の国の盤のみ。
果たしてNew Orderのストリーミングは、シングルはここ最近のものしかなく、「International」はベスト盤等の乱立を防ぐためか存在せず、ボックスセットの音源もありません。
もうね、がっかりですよ。

■アルバム収録曲だけど「シングル・ヴァージョン」がないパターン
たむらぱんは、自分が考えるところの「00年代最強の天才女性SSW」ですが、だいたい全部の音源がストリーミング配信されています。配信されていないのはガムのCMソングになった「オオカミ少年ケン」の替え歌とシングル「SOS」と「ココ」の2枚。そのシングルの表題曲はいずれもアニメの主題歌であり、そこの権利的なところが理由かと考えているのですが、「SOS」の方はほぼ同じヴァージョンがアルバムにも収録されているので問題ありません。
が、「ココ」の方は、アルバムに収録されたヴァージョンがシングルとは全く異なるアレンジのため、聴かれている数は多いのに、アニソン好きの方にとっては「俺が聴きたいのはこれじゃない」方しかないという悲しい状態になっております。

■マスターが消失してるんじゃないかパターン
ストリーミング音源を制作しようにも元々のマスターがなければやりようがありません。
Dead Or AliveのSONY所属前、インディーズ期の音源は恐らくそうであろうと思われます。
ピート・バーンズの晩年、著作権を売却するくらい窮乏に陥っていたにもかかわらず初期音源がCD化されたりといったアクションがなかったのは、そもそもCD化できなかったのだろうと。

■ミュージシャン側の意図がありげなパターン
「そこらへんの楽曲は黒歴史だから触ってくれるな」という判断をしたものとか。
別に本人が公にそう言うはずもなく、想像するしかないのですが、Julian Copeなんかそういう意志をひしひしと感じます。
ないのは「World Shut Your Mouth」「Saint Julian」「My Nation Underground」の3枚。Island期の音源でも「Fried」や「Jehovakill」はあります。要するに「ポップミュージックとして最も真っ当な」3枚だけないのです。
ベスト盤はあるので、シングル曲の大半はそっちで聴けるのですが、正直何でこういう判断をしたのかはわかりません。キャリア的にはもうあのよくわからないサイケ路線の方が長いので、そこから何となく察するしかありません。
長渕剛のストリーミングに「雨の嵐山」がない理由は非常によくわかります。

■チャリティー・コラボレーション楽曲のパターン
Band AidやWe Are The Worldは、ストリーミングにあるのですが、こと日本に関してはテレビ番組のチャリティー企画でリリースされた、複数ミュージシャンによるコラボ楽曲はほとんどストリーミングにないというか、オリジナルのシングルCDリリース以降世に出ることがあまり多くありません。
そういうのが多めのユーミンの事例を並べてみると、

1985:「今だから」(松任谷由実、小田和正、財津和夫)
1992:「愛のWAVE」(松任谷由実・カールスモーキー石井)
2000:「Millennium」(Yuming+Pocket Biscuits)
2006:「Still Crazy for You」(クレイジーキャッツ&YUMING)

以上、彼女が制作に携わり盤としてリリースされたものだけですが、いずれもストリーミングにはありません。
各ミュージシャン間の権利の問題、またチャリティの場合にはその団体の活動が期間限定だったりすると、今さら小銭稼がれてもそれをどうしていいかわからん、みたいな事情があるのかもしれません。
桑田佳祐&Mr.Childrenの「奇跡の地球」が「TOP OF THE POPS」に収録され、ストリーミングにも入ったのは、Act Against Aidsという継続して存在している団体がベースだからこそ可能だったとも考えられます。

■Peel Sessionsの音源パターン
UKの伝説的ディスクジョッキーJohn Peelのラジオ番組でのスタジオ・ライブ音源。レコ屋で80-90年代のバンドを掘った経験があるなら知らない人間はいないと思います。録音時にはまだレーベルとの契約がないバンドも多く、それらの音源は多くのバンドの通常のオリジナル音源とは別に、Strange Fruit Recordsというレーベルから盤としてもリリースされました。
中にはThe Smithsのようにそこで録音された音源の一部をオフィシャルな音源としてアルバムに収録するとか、エコバニのように複数回のセッションをまとめて正式なアルバムとしてリリースするといった事例はありますが、そういうの以外には見当たりません。
Strange Fruit RecordsはJohn Peelの亡くなった年と同じ2004年に閉鎖して、権利はどうもBMGが持っているっぽいのですが、現状では一切なし。

ざっくりとこんな感じです。
ただ、My Bloody Valentineが一度解禁したはずの音源を、昨年に全部引き上げてそのままほぼ存在していない点については、よくわかりません。
察する限りでは山下達郎とだいたい同じ理由ではないかと思います。

サブスクになくてYouTubeにはあった曲のこと(邦楽)

前に「サブスクになくてYouTubeにはあった曲」というのをやったのですが、邦楽でもそういうの随分あるよなと思いまして、ざっくり掘ってみました。
というか、邦楽の方が割とはっきり「ない」のが多いような気がします。とりあえず10組。

早瀬優香子
2001年に復活して音源をリリースした際のアルバム1枚、EP1枚のみで、SIXTYレーベル時代の音源は一切なし。

ケラ
ナゴム時代とここ最近のアルバム2枚はあるんです。ただ、唯一メジャーから出た「原色」がないんです。本音で言えば「原色」は秋元康プロデュースのベスト・ワークだと思っているんですけど。
で、このケラのアルバムと早瀬優香子「躁・鬱」あたりって、現在の欅坂46のプロデュース・ワークの原点かもしれないと思った次第。

FREENOTE
一切音源なし。Toys Factory所属だったので、いずれ出るんじゃないかと期待しているのですが、自分が一番の名曲だと思っている「ピアノを弾いて」はアルバムには収録されておらず、かつベストアルバムを出さないまま解散したバンドなので、現状のストリーミング解禁の傾向からいって、期待薄です。

原マスミ
2012年の「人間の秘密」だけしかない。「イマジネイション通信」「夢の4倍」「夜の幸」や、ストレイ・シープ関連の音源一切なし。好き嫌いがかなりはっきり分かれる方ではありますが、あの変てこな音像は一度聴いていただきたい。

the ARROWS
アルバムはメジャーの1stだけ、EP、シングルはメジャー期に6枚リリースしているうちの5枚がある、というかなり謎度の高い状況。正直、最強なアルバムはインディーズ期のラストアルバム「昨日 今日 トゥモロー」だと思っているのですが、出ないか。

くじら
現在「くじら」という名前はボカロ系トラックメイカーの方が名乗っていて、80年代ソニーの方のくじらは一切引っかかりません。「QUJILA」でもダメです。最悪「パノラマ」と「MIX」だけでもいいんだ。

種ともこ
自分が考えるところの「80年代最強の天才女性SSW」ですが、ソニー期であるのはベスト盤とリアレンジで歌いなおしたアルバムの2枚のみ。で、インディーズになってからの音源は全部あるのですが、ソニー期とインディーズ期が別ミュージシャン扱いされているという謎。

さねよしいさ子
自分が考えるところの「90年代最強の天才女性SSW」ですが、あるのはフォーライフ期、「マルコじいさん」がヒットしたタイミングで急ごしらえでリリースされたコンピ盤「STYLE BOOK」のみ。
彼女のメジャー期はフォーライフ⇒MIDIなので、これ今後もなかなか厳しい。

PINK
オールタイムのボックスセットまでリリースされている場合、権利が改めて確認されているはずなので環境としては非常にストリーミングにも出しやすいはずなのですが、一切出ていない。ボックスセットの在庫が捌けたあたりで出てくるのでしょうか。

戸川純
名義もレーベルも多岐に渡りすぎる彼女ですが、一番活発にリリースをしていた1987-1989年を含め、テイチクの音源がない。ヤプーズ2枚、ゲルニカ2枚、あと「昭和享年」。でもテイチクでも非常階段×戸川純名義の「戸川階段」の2枚はあるの。もうどうなっているのかわからない。

TETORA
最近気にしている若手ガールズバンド。ティーンネイジャーに届くべき音なのに、何故かない。シングル1枚はタワレコ限定なのでやむなしとしても、正直ディレクターさん、悪手ですよこれ。