2019年の10枚のこと

2019年の10枚。

DIIV / Deceiver
ネオサイケ、シューゲイザーになるの巻。でもその変遷はとても理解できます。

Sandara Karma / Ulfilas' Alphabet
イケメン揃いのバンドが何でこんな垢抜けないというか、わかりやすい「かっこよさ」と真逆の方にすっ飛んでいくのか。でもそういう方針が結果ととしてかっこいいの。

3776 / 歳時記
少なくとも10年代の日本で最も得体の知れないアルバム。常人の成せる技ではない。

BEYOOOOONDS / BEYOOOOOND1St
たまにモーニング娘。やアンジュルムがテンション的に「覚醒」するのですが、このグループはその「覚醒」したところがスタート地点。ヤバい。

nuance / botan
The Wedding Presentに例えると、彼女たちの前作「town」は「Bizarro」で、「botan」は「Seamonsters」なんです。何を言ってるかわからないと思うんだけど、俺は納得している。「雨粒」のサビとか、特に。

ROTH BART BARON / けものたちの名前
これまでの手癖を全部捨てた感。他のいろんなモチーフは持ってはきているのだけど、それでもすごい新境地。やっぱ彼らはヤバい。

Official髭男dism / Traveller
聴き込むと恐ろしいほど凝っている。が、それをばっつりJ-POPとして聴かせて消費させる才能と覚悟。ワンマンのチケット取れた!

ジェニーハイ / ジェニーハイストーリー
稀代のコンポーザーであり同時に稀代のトリックスターでもある川谷絵音が遂に手に入れた、最もトリックスター的な「本体」。この相性の良さは圧倒的。

長谷川白紙 / エアにに
今自分が理解できる音楽のギリギリ。何とかついていきたい。もっと新しい何かを知りたい聴きたい。

ズーカラデル / ズーカラデル
ただただいいメロディと歌詞。その他に何もないんだけど、でもそれがあればいい。

水森かおりのご当地ソングによる日本征服のこと

2年半前にやってほったらかしにしていた件。
「ご当地ソングの鬼」として名高い水森かおりさん、東京都北区出身。
1999年のシングル「竜飛岬」でご当地ソングに手を染め、2002年の「東尋坊」からは年の前半にシングルをリリースし、その年の後半には「歌謡紀行」というタイトルのアルバムで更にご当地ソングを量産、時には歌われた地域の観光大使に就任してアピールする等、「ご当地ルーティーン」によるビジネスモデルは既に完成の域に達しています。

で、これだけ歌ってれば47都道府県分のご当地が埋まるんじゃなかろうかと思って過去2回ざっくり並べてみたのですが、意外に空き地域が多くて驚いたものでした。
前回から2年半、どうなったのでしょうか。
太字はシングル表題曲、「五能線」「大糸線」は複数県に跨がっていますが路線距離の長い方を選択しています。カバー曲は含みません。

楽曲名(リリース年)
北海道 天塩川('03)
釧路湿原('04)
函館山('09)
白老ポロトコタン('13)
風のガーデン('14)
水に咲く花・支笏湖へ('18)
宗谷本線 比布駅('18)
定山渓('18)
青森県 竜飛岬('99)
五能線('05)
小泊風港('08)
岩手県 岩手富士('08)
三陸海岸('09)
吉里吉里港('10)
宮城県 松島紀行('10)
亘理の冬('10)
秋田県 五能線('05)
山形県 庄内平野 風の中('11)
福島県  
茨城県 月待の滝恋歌('12)
潮来水郷('17)
栃木県 湯西川('17)
群馬県 榛名山('15)
上州恋風('16)
埼玉県 秩父山脈('11)
千葉県  
東京都 飛鳥坂('05)
荒川線('13)
花の東京('17)
神奈川県 花の鎌倉('11)
鎌倉街道('16)
新潟県 哀愁越後路('11)
佐渡航路('15)
越後水原('16)
燕三条 雨が降る('18)
富山県 氷見の旅('14)
立山連峰('16)
蜃気楼('18)
雨晴海岸('18)
石川県 輪島朝市('08)
福井県 東尋坊('02)
若狭の海('08)
山梨県 昇仙峡('10)
長野県 野尻湖ひとり('05)
信濃路('06)
辰野の雨('12)
天竜峡('16)
大糸線('16)
高遠 さくら路('19)
信濃路恋歌('19)
岐阜県 飛騨の高山('06)
ひとり長良川('12)
白川郷('12)
静岡県 雨の修善寺('09)
恋人岬('15)
愛知県 伊良湖岬('07)
三重県 伊勢めぐり('13)
鳥羽の旅('13)
滋賀県 近江八幡('07)
比叡おろし('17)
京都府 嵯峨野巡礼('04)
天橋立('05)
京都八景('12)
京都・女舞い('14)
京都雪みれん('18)
大阪府 逢いたくて大阪・・・('13)
兵庫県 明石海峡('09)
再度山('19)
奈良県 大和路の恋('15)
和歌山県 熊野古道('06)
鳥取県 鳥取砂丘('03)
島根県 島根恋旅('14)
岡山県 鷲羽山('13)
広島県 尾道水道('00)
安芸の宮島('09)
山口県 秋吉台('04)
青海島('07)
津和野('12)
早鞆ノ瀬戸('17)
角島大橋('17)
山口旅愁('17)
徳島県  
香川県 竹居岬('14)
多度津 みなと町('18)
愛媛県 宇和島 別れ波('17)
高知県 桂浜('06)
福岡県  
佐賀県 虹の松原('10)
長崎県 長崎夜曲('06)
熊本県 天草五橋('15)
大分県 湯布院('11)
宮崎県  
鹿児島県 鹿児島パラダイス('06)
ひとり薩摩路('07)
奄美の砂('19)
沖縄県  
海外 黄昏のタンタラス('10)
地中海('15)

2年半前から新たに埋まった県は栃木県だけで、まだ日本征服には至っていません。というかどんどん偏っていく始末。
確かに演歌は北国や日本海側の方が映えやすいですし、水森さんの歌唱的にもそっちの方が合うという事情はありますが、それでもこの西日本の放置っぷりは何なのでしょうか。
沖縄とかは難しいかもしれませんが、でも奄美を歌って沖縄行かないのはちょっとどうかと思うし、福岡県に触っていないことは解せません。
福島県はいろいろ事情あるかもしれませんが、千葉県は何とか頑張ってほしい。どこかあるだろう。養老渓谷、鋸山、銚子港、久留里線。確かに少し弱いかもしれない。止むを得ない。

と思ったら、彼女自身が2015年にこんなことを言っていた。残り1年で今の状況はかなり厳しい。もう少し本気出してほしい。

今、ストリーミングに楽曲を出さないミュージシャンのこと

遂にラルクが11日にサザン・桑田佳祐他が20日にストリーミング解禁されまして、最後の分水嶺を越えた感がすごくします。
ラルクもサザンも、どう考えても新たに旧譜CD売ろうとするよりストリーミングを公開した方が儲かる曲多いと思うので、正直遅きに失した感があるとも思うのですが。

で、ここまで来ると解禁してないミュージシャンの方が珍しい状況になってきたのではないかと思い、思い付く限り検索してまだストリーミング解禁してないミュージシャンを探ってみたのですが、正味ここまでの実績として「日本三大『ストリーミング出さない勢』」がいます。

「アップフロント」「Being」「ジャニーズ」

ハロプロが本当にストリーミングに出てこないということは、アイドル界隈ではよく知られているのですが、調べてみたらKANさんも最近の2作以外は出てないし、スターダスト・レビューもアップフロント所属期の音源は出ていない。アップフロントグループ全体が結構頑なです。

Beingは、B'zをはじめとして、たとえばT-BOLANとかWANDSとかも全く所属期の音は出ていない。倉木麻衣も。先日、大黒摩季がストリーミング解禁というニュースが入ってきましたが、蓋を開けてみれば最盛期のB-gramレーベル所属時代の音源は解禁されておらず。
本当に一切ないのか探ってみたところ、TUBEの2015年のオールタイムベスト盤だけ出てた。これはそういうレーベルを越えてのコンピ盤でしたので権利的に他と少し異なるのかもしれません。

ジャニーズはそもそもデジタル大嫌いでしょうがなかったのが、この5月に公式のグッズオンライン通販を開始、8月にSixTONESがYouTubeチャンネルを開設したりと、急に慌ただしくなってきてそして10月に嵐がシングル楽曲のみではありますが、ストリーミング解禁し、微妙に牙城が崩れた感はあるのですが、そこから2か月、他のグループに波及する様子はなく、やっぱベスト盤リリースして落ち着いて、ここから先に既存曲でビジネス転がそうとしたらこれしかないという判断の結果であって、若いグループについてはまだまだパッケージで売る気満々ではないかとも思います。

「出さない勢」以外で楽曲解禁されていないメジャーなミュージシャンはおよそこんな感じ。

aiko
大瀧詠一
久保田利伸
谷山浩子
CHAGE & ASKA
中島みゆき
Hi-Standard
氷室京介
THE BLUE HEARTS/THE HIGH-LOWS/ザ・クロマニヨンズ
マキシマム ザ ホルモン
山下達郎
米津玄師

米津玄師はまだ解禁しなくても単価高いCDとDLだけで儲かる感ありますが、他はどうなんでしょう。
谷山浩子と中島みゆきはヤマハ所属ですが、同様ヤマハ所属の阿部真央や吉澤嘉代子は普通に解禁されていますので、これは谷山浩子と中島みゆきが徒党を組んで阻止しているのではないかと思います。
CHAGE & ASKAは正味、メイン作者があんな状況ですなので、判断するとかしないとかいう感じではないのかもしれません。
氷室京介は、広げてしまったビッグビジネスをけっこうな期間をかけて丁寧に畳んで表舞台から去ったわけで、今さらビジネス再開するという気持ちにはならない、ということでしょうか。
マキシマム ザ ホルモンは、アリーナ以上の巨大会場では単独ライブを開催しないというルールで活動していますので、総売上中の音源の比率をできるだけ下げたくないのではというのは下衆の勘繰り。ライブハウスと盤という昔からのスタイルを維持したいのだと思います。ヒロト&マーシーやHi-Standardも一緒でしょう。

山下達郎も大会場でライブしないルールの人ですが、ラジオ番組でかける楽曲を事前にラジオに合うようにミックスするという方ですので、てめえの音源をストリーミング音質で世に出すことを許さないルールなのではないかと思います。
もし彼の音源がストリーミングに出るとしたら、全音源ストリーミング用にミックスし直してからみたいなことになるのではないでしょうか。
で、旦那がそういう感じですので、嫁さんの竹内まりやの楽曲は結婚する前のRCAレーベル期のものしか出ていないのもさもありなん。

他に「出てるけど全部ではない」という過渡期的な状況なのが、

Acid Black Cherry(全シングルと初期アルバム)
角松敏生(最新音源のみ)
Dragon Ash(最新アルバムのみ)
back number(ベスト盤以前の音源)
浜田省吾(クリアウォーター所属以降とベスト盤)
Unison Square Garden(配信専用ベスト盤のみ)
RADWIMPS(配信専用コンピ盤とシングル2枚のみ)
レキシ(1stアルバムのみ)

大御所や現役あたりをとりあえずざっくり調べてこんなところ。少しずつ出しながら収益を計算しているのでしょうか。

80年代から90年代あたりの、あんまり売れなかった方々は、先日JAGATARAの相当数の音源が解禁されましたが、これはメジャーデビューした際のレーベルBMGがインディーズ音源も引き取って後に再発していたために可能だったことであり、「南蛮渡来」以前やライブ盤「君と踊りあかそう日の出を見るまで」は対象外。
それでもマスターがまとまっていた彼らはいい方で、昔のインディーズを主戦場にしていたバンド等で今出ていないのは、これ近々での全面解禁は相当難しいのではないかと思います。
正味、7インチ盤でリリースされてその後CD化されなかった楽曲や、初期にCD出た後一切再発されていないのとかがストリーミングに出てくるはずもなく。やっぱレア音源はレア音源のままです。

そう考えると、今の新譜CD店は各ミュージシャンのファングッズの総合ショップ化、中古盤屋は海外ミュージシャンの「デラックス盤」的なところも含む過去現在のレア盤を骨董品的に集めて売る場所になる方向にしか行けないように思えてくる。
今とあんまり変わらんような気もしますが、たとえば10年後の日本にそれがいくつあるのか、という話です。

第70回紅白歌合戦の歌唱曲のこと

紅白歌合戦、歌唱曲が出ましたので今年も「歌唱曲がいつリリースされたのか、売れた曲なのか、過去紅白で何回歌ったのか」の一覧。
曲名の後のカッコ内の数値が過去に歌った回数。数字無しは初披露、「※」付きは「他人名義の曲ですが歌います」パターン。

歌手名 曲名 発表年(売上)
aiko 花火 1999(213,000)
いきものがかり 風が吹いている(2) 2012(73,500)
石川さゆり 津軽海峡・冬景色(11) 1977(730,000)
AKB48 恋するフォーチュンクッキー(2) 2013(1,549,300)
丘みどり 紙の鶴 2019(40,400)
欅坂46 不協和音(2) 2017(800,100)
坂本冬美 祝い酒(4) 1988(355,000)
椎名林檎 人生は夢だらけ 2017(アルバム)
島津亜矢 糸※ 1992(カバー)
Superfly フレア 2019(配信)
天童よしみ 大阪恋時雨 2019(4,100)
TWICE (メドレー)  
乃木坂46 シンクロニシティ 2018(1,316,400)
Perfume FUSION 2018(カップリング)
日向坂46 キュン 2019(622,000)
Foorin パプリカ 2018(131,600)
松田聖子 (メドレー)  
MISIA アイノカタチ 2018(41,400)
水森かおり 高遠 さくら路 2019(63,700)
LiSA 紅蓮華 2019(55,900)
Little Glee Monster ECHO 2019(25,400)
     
(メドレー)  
五木ひろし VIVA・LA・VIDA! 2019(13,300)
Official髭男dism Pretender 2019(31,900)
関ジャニ∞ (メドレー)  
Kis-My-Ft2 Everybody Go 2011(451,100)
King & Prince (メドレー)  
King Gnu 白日 2019(配信)
郷ひろみ 2億4千万の瞳(5) 1984(213,000)
GENERATIONS EXPerience Greatness 2019(46,000)
純烈 純烈のハッピーバースデー 2019(83,800)
菅田将暉 まちがいさがし 2019(配信)
DA PUMP (メドレー)  
氷川きよし 限界突破×サバイバー 2017(21,600)
福山雅治 (メドレー)  
Hey! Say! JUMP 上を向いて歩こう※ 1961(カバー)
星野源 Same Thing 2019(配信)
三浦大知 Blizzard 2018(32,600)
三山ひろし 望郷山河 2019(49,300)
山内惠介 唇スカーレット 2019(94,100)
ゆず (メドレー)  
RADWIMPS (天気の子) 2019

演歌勢の方が下手したら「今年リリースされた曲」を歌う確率が高いのではないかという、ひと昔前なら考えられない事態。
でも純烈は不祥事があっても売れ続けているし、天童よしみはまだ数字にはなっていないとはいえ今年の曲は相当に評判がいい。
そして、氷川きよしは「メドレー」とは言いつつ「限界突破」の文字があるので、遂に演歌枠からはみ出てしまう、こちらも異常事態。
とは言うものの、そもそも彼のInstagramがもういろいろ異常事態というか、遂に本領発揮というか、そんな感じなのでこれでいい。

そして石川さゆりは相変わらずのルーチン。

いろいろ工夫して毎年変化を付けている紅白ですが、変わらないものもあっていい、と思います。

表作っていて正直、もはやCDの売上数を掲載するのはどこまで意味があるのだろうかと思いつつ、代替の数字がないので止むを得ず。
テレビ見ている分にはリトグリやヒゲダンの方が売れているわけですが、CDの売上を見るとLiSAの方がずっと売れている。
CDが売れるジャンルと、もうおおよそがストリーミングで聴いているジャンルとはもう一概に比較できんです。

というか去年今年くらいにリリースされた曲見てみるともう「国民的ヒット曲」なんて出てきようがないことがわかってしまいます。
ありがとうございます。アニソンがアニメ好きの人にしか響かないのと同様に、J-POPは「J-POP好き」の中にしか響かないコンテンツになっています。
それでも紅白歌合戦のフォーマットを続けなくてはいけないスタッフが、必死になって竹内まりやとかビートたけしにオファーを出すのです。頑張っているのです。許してください。

ジャニーズのSixTONESとSNOW MANのレーベルのこと

ジャニーズ事務所の新グループ、SixTONESとSNOW MANが、1枚の盤に両グループの曲が収められる、いわゆるスプリット盤というエグい形で同時デビューしますよという話は以前にしました。ネタにしつつも正味「ふーん、大変やな」くらいの気持ちだったのですが、今さっき大変に重要なことに気付きました。

SixTONESとSNOW MAN、所属レーベルは別です。SixTONESはソニー、SNOW MANはエイベックス

それでスプリット盤ってどういうことよ、とは思いますが、正味まだジャニーズ事務所がレーベルに対して絶大な力を誇っているということで説明は付くと思います。
それでも、こういう「別レーベル制作の楽曲が1枚の盤に収録される」事例というのは、ベテランの「オールタイムベスト」的なもの以外では記憶になく。
ジャニーズ事務所ヤバい。いまだにヤバい。

で、すごく気になるのはオリコンでどういうカウントがなされるのかということ。
普通に考えれば会社が違うのですから、SixTONESが先のソニー盤とSONW MANが先のエイベックス盤とでは別カウントになると思うのですが、でもカップリング曲が異なるシングルを1枚のシングルとして集計した始祖は少年隊の「仮面舞踏会」だったり、オリコンのルールすらコントロールしてきたジャニーズですから、どうなるかわかりません。
ジャニーズ事務所ヤバい。いまだにヤバい。

つうかひと昔前、ジャニーズ所属のグループをすごい勢いで自社レーベル「Johnnys Entertainment」に集約する動きがあったはずなのですが、それは今どうなっているのでしょうか。
正直なところ、最近は他社に影響力をキープしたい欲の方が強い感じですが、そこは数字とかいろいろ計算した結果なのでしょう。
ジャニーズ事務所ヤバい。いまだにヤバい。

現役男性アイドル/ダンス&ヴォーカルグループの有料単独公演の最大キャパ・2019年秋版のこと

現役男性アイドル/ダンス&ヴォーカルグループの有料単独公演の最大キャパ・2019年秋版。
半年に一度、女性版・男性版を作成していますが、いろいろあって今回の男性版、大幅に遅れました。
でも「秋版」と言い張ることにします。

(会場・動員部分の基準)

  • 有料の単独公演のみ。無料イベントやCD特典の券で参加できるイベントは含みません。
  • ただし、他に出演者がいてもあからさまに「前座」っぽい感じのはセーフ(主観)。
  • 会場ベースでの比較のため、満員になったかどうかは問いません。つうかわかりません。
  • ライブハウス等、椅子の有無等でキャパ大分変わりますが、基本最大キャパで。特にVISIONとかclub asiaは箱のキャパが複数フロアの合計なので、絶対違うとは思いながらも。
  • 実施済み以外に公演が告知されているものも含みます(「予定」表記分)。
  • 自前の箱等での「定期公演」は除きます。
  • 抜け漏れご容赦。
  • 今回から観測対象にしたのには★、前回から会場キャパが上がったものは(↑)表示。
  • (活動停止)は停止済みのグループだけで、発表済みでもまだ活動してるのには付けてません。

(CD売上部分の基準)

  • オリコンで最も売れたシングルの累計売上数(カッコ内は発売年)。
  • アルバムが最大の売上の場合「※アルバム」の注記。
  • シングル・アルバムもオリコンの集計記録が一切出ていない場合は「記録なし」表示。
  • 順位はこれまでの最高順位ですが、最高売上枚数の盤が必ずしもその順位のものとは限りません。
  • (↑)は、前回記録時より売り上げか順位が上がった場合に付けてます。

(Twitterフォロワー数部分の基準)

  • ここ数日でのそのグループの公式Twitterアカウントを検索した際のフォロワー数。
  • 運営アカウントのフォロワー数で、前回より増えたら(↑)、前回より10%以上増えたら(↑↑)、減ったら(↓)。

で、前回女性版があんまり多かったのでPDFで公開にし直したのですが、実はデータの取り回しもそっちの方が楽なので、男性版は今回からPDFのみでの公開にします。
ということで、以下のPDFをご覧ください。

現役男性アイドル/ダンス&ヴォーカルグループの有料単独公演の最大キャパ・2019年秋版

今回、調べながら痛感したのが、「めっちゃグループ増えてる」。
Twitterのアカウントの作成年月で確認できる限り、昨年の後半くらいから明らかに新規グループのデビュー量が増えています。で、今回1周年で初ワンマン開催みたいな感じでこの表に入ってきています。
これ何だろうと思ったのですが、嵐が活動休止を発表したり、関ジャニ∞もメンバー抜けるし、明らかにジャニーズの相対的なパワーは以前より弱まっていますし、先日のミュージックステーション、Hey! Say! JUMPが出ていたのに、EBiDANのDISH//の北村くんが山崎まさよしとペアの形とはいえ同日の番組内で出演するなど、かつてライジング所属グループを完全ブロックしたような状況もありません。
そういうパワーバランスの変化もあって、ここがビジネスチャンスと認識して新規グループが続々と登場することになったのではないかと思います。
女性グループの方が相当にレッドオーション化してきたのに伴い、女性グループの運営から男性グループの運営に舵を切った事務所も2-3あったりとか。

さらに、ジャニーズ・EBiDAN以外で以前から活動していた地下系の中堅グループにも人気の陰りが一部見えたりもしています。
今回Twitterのフォロワー数の確認をしていてビビったのが「フォロワーが減っている」グループの数の多さ。女性グループの方は実際の動員が減ってもあんまり派手にフォロワー減ったりしていないのですが、男性グループのそれはもう如実に。
「男性の恋愛は『名前を付けて保存』、女性の恋愛は『上書き保存』」という言い回しがあって、実際のところはどうかわからんですが、ことこの差異を見る限りでは何か本当にそういう感じなのではないかとも思えたり。

そして数が増えてくるといろいろグループにバリエーションも発生していまして、そこの観察も面白くなってきます。
まだ完全に「楽曲派」と呼ばれるような動きは見えてきてはいないのですが、クールでかっこいい「硬派」からキュートでかわいい「軟派」までの線上に様々なグループが並び、「硬派」もヒップホップ系からロック系まで、「軟派」は王道アイドル系もあればファニーな路線を狙うグループもあったり。

あと、これは以前からなのですが、「接触イベントの濃度」では、女性グループ以上にぱっつり分かれているところがあります。
女性アイドルと同等の握手やハイタッチ+お喋り、というパターンが当然多めではあるのですが、お姫様抱っこや鼻キスなど、女性アイドルならありえないレベルのもかなりいて、「粘膜同士の接触」未満であればだいたいやってるような接触度の高い特典会を行うグループもいて。
さらに一部のグループはそういう濃度の高い接触を嫌悪して「接触濃度の高いグループと同じライブには出演しない」と公言している運営もいて、そういう部分での「差異」も存在している模様。

あと、まだワンマンはしていないので、今回の表には入っていませんが、この10月にデビューしたこういうグループもいたりします。
「楽器を持たない」云々というキャッチとか、この衣装もどっかで似たようなの見たことある気もしますし、でもそうやって既に多様化している女性グループの方のモチーフも引用したりしながら、これから男性アイドルの差別化の競争が激しくなっていくのだと思います。たぶん。

TSUTAYAが2019年に100店舗閉店したこと

久々にTSUTAYAの話。というかおよそ今年の開店閉店の情報が出切った感がありますので、2019年のまとめとして。
2017年は70店以上、2018年は90店以上が閉店して、これヤバいよという話を以前よりちょいちょいしていたわけですが、2019年は現状で100店舗以上の閉店が確定しています。

f:id:wasteofpops:20190831121337j:plain
TSUTAYA 立場店(2019/10/09閉店)

01/06 TSUTAYA 幸手店(埼玉県幸手市)
01/06 TSUTAYA 上尾原市店(埼玉県上尾市)
01/14 TSUTAYA 上尾駅前店(埼玉県上尾市)
01/14 TSUTAYA さいたま新都心店(埼玉県さいたま市中央区)
01/14 TSUTAYA 砥部店(愛媛県伊予郡砥部町)
01/20 TSUTAYA 新小岩店(東京都葛飾区)
01/20 TSUTAYA WILL 久万の台店(愛媛県松山市)
01/27 TSUTAYA 大倉山店(神奈川県横浜市港北区)
01/31 TSUTAYA 宇都宮鶴田店(栃木県宇都宮市)
01/31 TSUTAYA 仁戸名店(千葉県千葉市中央区)
01/31 TSUTAYA 祖師ヶ谷大蔵店(東京都世田谷区)
01/31 TSUTAYA 高須店(高知県高知市)

02/03 TSUTAYA フジグラン十川店(香川県高松市)
02/10 TSUTAYA MINANO分倍河原店(東京都府中市)
02/11 TSUTAYA 醍醐店(京都府京都市伏見区)
02/11 TSUTAYA JR野田店(大阪府大阪市福島区)
02/11 TSUTAYA フジグラン神辺店(広島県福山市)
02/17 TSUTAYA 学芸大店(東京都目黒区)
02/17 TSUTAYA 武蔵中原店(神奈川県川崎市中原区)
02/24 TSUTAYA 南宮崎店(宮崎県宮崎市)
02/28 TSUTAYA 天神駅前福岡ビル店(福岡県福岡市中央区)(移転)
02/28 TSUTAYA 名護店(沖縄県名護市)

03/03 TSUTAYA すみや富士中央店(静岡県富士市)
03/03 TSUTAYA フジ西宇部店(山口県宇部市)
03/06 TSUTAYA 京王稲田堤店(神奈川県川崎市多摩区)
03/12 TSUTAYA フジグラン宇部店(山口県宇部市)
03/17 TSUTAYA ときわ台店(東京都板橋区)
03/17 TSUTAYA 桃山店(京都府京都市伏見区)
03/17 TSUTAYA 箕面牧落店(大阪府箕面市)
03/20 TSUTAYA 園田駅前店(兵庫県尼崎市)
03/30 TSUTAYA BOOK STORE 神谷町駅(東京都港区)
03/31 TSUTAYA 旭川神居店(北海道旭川市)
03/31 TSUTAYA 登別店(北海道登別市)

04/14:TSUTAYA 岩槻店(埼玉県さいたま市岩槻区)
04/14:TSUTAYA 大船店(神奈川県鎌倉市)
04/30:TSUTAYA 那の川店(福岡県福岡市南区)

05/06:蔦屋書店 上野店(東京都台東区)
05/06:TSUTAYA 南陽通店(愛知県名古屋市南区)
05/06:TSUTAYA 学園都市駅前店(兵庫県神戸市西区)
05/06:TSUTAYA フジグラン川之江店(愛媛県四国中央市)
05/08:TSUTAYA 衣笠店(神奈川県横須賀市)
05/12:TSUTAYA フジグラン今治店(愛媛県今治市)
05/19:WonderGOO TSUTAYA QLuRi川越店(埼玉県川越市)
05/31:TSUTAYA 東大和店(東京都東大和市)
05/31:TSUTAYA 蒲郡三谷店(愛知県蒲郡市)
05/31:TSUTAYA 野田川店(京都府与謝郡与謝野町)

06/02:TSUTAYA フジ垣生店(愛媛県松山市)
06/09:TSUTAYA 姫原店(愛媛県松山市)
06/16:TSUTAYA つくば桜店(茨城県つくば市)
06/16:TSUTAYA 川越店(埼玉県川越市)
06/20:TSUTAYA 姫路車崎店(兵庫県姫路市)
06/23:TSUTAYA フジグラン北浜店(愛媛県八幡浜市)
06/30:TSUTAYA 東池袋店(東京都豊島区)
06/30:文苑堂 TSUTAYA 上飯野店(富山県富山市)
06/30:蔦屋書店 フジグラン葛島店(高知県高知市)
06/30:TSUTAYA AVクラブ 鷹尾店(宮崎県都城市)

07/07:蔦屋書店 フジグラン高知店(高知県高知市)
07/15:TSUTAYA 二子玉川駅前店(東京都世田谷区)
07/21:蔦屋書店 フジグラン野市店(高知県香南市)
07/31:TSUTAYA 田子店(宮城県仙台市宮城野区)
07/31:TSUTAYA 浦和店(埼玉県さいたま市浦和区)
07/31:TSUTAYA 成増駅前店(東京都板橋区)

08/04:TSUTAYA フジグラン北島店(徳島県板野郡北島町)
08/07:TSUTAYA あびこ店(大阪府大阪市住吉区)
08/18:TSUTAYA 矢向店(神奈川県横浜市鶴見区)
08/23:TSUTAYA 南松本店(長野県松本市)
08/25:TSUTAYA 座光寺店(長野県飯田市)
08/25:TSUTAYA 高速長田店(兵庫県神戸市長田区)
08/31:TSUTAYA 山形新庄店(山形県新庄市)
08/31:TSUTAYA 西五反田店 中古館(東京都品川区)
08/31:TSUTAYA 大岡山店(東京都大田区)
08/31:TSUTAYA 雪谷大塚店(東京都大田区)
08/31:TSUTAYA 立川柏町店(東京都立川市)
08/31:TSUTAYA 佐世保梅田店(長崎県佐世保市)
08/31:TSUTAYA ココアドバンス諫早店(長崎県諫早市)

09/01:コーチャンフォー釧路店 TSUTAYAレンタル(北海道釧路市)
09/08:TSUTAYA 伊丹大鹿店(兵庫県伊丹市)
09/15:ビデオ100 坂出店(香川県坂出市)
09/16:TSUTAYA サクラス戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区)
09/16:TSUTAYA 高浜店(愛知県高浜市)
09/29:TSUTAYA ライフガーデン綱島店(神奈川県横浜市港北区)
09/30:TSUTAYA 石神井公園店(東京都練馬区)
09/30:TSUTAYA 金沢文庫駅前店(神奈川県横浜市金沢区)
09/30:TSUTAYA 児島店(岡山県倉敷市)

10/06:TSUTAYA 志木東口店(埼玉県志木市)
10/09:TSUTAYA 立場店(神奈川県横浜市泉区)
10/13:TSUTAYA 小杉店(神奈川県川崎市中原区)
10/14:TSUTAYA 横山店(神奈川県相模原市中央区)
10/27:富貴堂 南6条通店(北海道旭川市)
10/27:TSUTAYA 江曽島店(栃木県宇都宮市)
10/31:TSUTAYA 苫小牧日新店(北海道苫小牧市)
10/31:TSUTAYA 酒田北店(山形県酒田市)
10/31:TSUTAYA 富久山店(福島県郡山市)
10/31:TSUTAYA 港南台駅前店(神奈川県横浜市港南区)
10/31:TSUTAYA 西陣店(京都府京都市上京区)

11/19:TSUTAYA 川尻店(秋田県秋田市)
11/21:TSUTAYA 下田店(静岡県下田市)
11/30:TSUTAYA 大沢野店(富山県富山市)

12/15:TSUTAYA アトレ大井町店(東京都大田区)
12/20:TSUTAYA 出町柳店(京都府京都市左京区)
12/25:TSUTAYA 町田小川店(東京都町田市)

GEOの2019年の閉店は23店舗、かつ「GEO文教堂」の形の店舗は文教堂の体たらくのとばっちりでの閉店になるわけですが、24店舗中9店舗はそれ。
そして、スマホで発注してから店に行くとロッカーの中にDVDが入っているという、「新たな仕組み」としては「高速回線に接続されたPCで注文するとDVDが郵送されてくる」サービスと同じレベルの珍妙さではあるのですが、それでもビジネスモデルとしては「パッケージビジネス最後の牙城」とでも言うべき「GEO SPEED」を東京都の仙川と祖師ヶ谷大蔵にオープンするなど、とりあえず「攻め」の姿勢を見せています。

TSUTAYAは11月12月で一旦減りが落ち着いて、ここでそろそろ打ち止めかと思ったのですが、2020年1月の閉店は現段階で6店舗まで拾えているので、やっぱり赤字店を泣く泣く閉店するというよりは、「計画的な縮小」の路線であることは不変のようです。
フランチャイジーと話をしつつ、敢えて漸減させていく方針であることは間違いなく。新店舗もそれなりにオープンしていますが、その大部分はカフェ等を併設しつつのTSUTAYA BOOKSTOREの書籍専門店。もう音楽や映画を売ったり貸したりする気はほぼありません。

かつては経堂、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵と各駅にあった世田谷区の小田急沿線、現在の最近は成城店か馬事公苑店。馬事公苑店は直営で世田谷道路沿いではあるものの、どの駅からも遠いロードサイド店的な趣き。大阪府豊中市には4店舗ありましたが阪急駅そばの3店舗は閉店して残った上新田店はやっぱりロードサイド型。
通学通勤の帰りに寄って小銭を落とす人を最大化するという形ではなく、わざわざ来てもらって滞在してもらい、結果一人頭の消費額を大きくする方向へと向かっているわけです。

大都市近郊のTSUTAYAはレンタル専門型が多いのですが、地方ではCD/DVDレンタル・CD/DVD販売・書籍販売を兼ねる総合書店型が多いという特徴がありますが、それぞれ規模は違えど、徐々に地域内での密度を減らす形で閉店は進んでいます。

最大のフランチャイジーであるトップカルチャーが頑張っている新潟県はまだ比較的密度高く総合書店型の「蔦屋書店」の店舗がありますが、一方で小田急沿線の店舗が壊滅したのは、小田急商事がフランチャイジーから全面的に手を引いたためであったり、愛媛県・高知県を中心に展開しているスーパーフジが相当にTSUTAYA事業の規模を縮小したため、すごい勢いで店舗が間引かれたりとかしています。

そういうひとつのフランチャイジーの動きではなくても、山形県なんかは北部の最上・庄内地方に残るのは酒田店1店舗のみになったりとか、首都圏では南武線沿線の減りっぷりがなかなか壮絶だったりとか。

正味、「CD/DVDを借りに行く」という選択肢を選ぶことが事実上不可能になったという地域も多くなり、というか地方の「総合書店型」が消えた場合、CD買いに行くこともできなくなるし、言うたらまともな本屋も地域からなくなりました、ということになりますので、この漸減の動きが来年以降も続き、どんどんこれまでの常識があちこちで常識でなくなっていくわけです。

そして、こういうことを書き続けるのもおっさんのノスタルジーということになっていくのです。

U2@さいたまスーパーアリーナのライブのこと

実はU2今回初めてなんです。19,800円。頑張ったよ俺。
普通の「行きたい」くらいなら、他の5,000円のライブ4回を選択する人生ですが、今回は普通じゃないから。だって「The Joshua Tree」ですよ。高校生の時分、買うこともレンタルも最小限しかできない中厳選して、アホほど聴き込んでいたヤツ。

f:id:wasteofpops:20191206234336j:plain

入場で並ぶことも覚悟して、定時30分前に会社抜け出したのですが、思いの外あっさり入場できて拍子抜ける。座席も普段VIVA LA ROCKで全体見やすくてここがいいわと毎年陣取っているあたりに近く、大変に快適。
Joshua Tree型の花道とセンターステージが伸びていてかっこいい。そして馬鹿でかいステージとビジョン。

f:id:wasteofpops:20191206234350j:plain

果たして一発目「Sunday Bloody Sunday」。そして「Gloria」。もうこれ泣くヤツですよ。
流れとしてはまずセンターステージで「The Joshua Tree」以前の曲、そしてメインステージで「The Joshua Tree」をアルバム曲順通りに。そしてその後に「The Joshua Tree」以降の楽曲という感じでしたが、アルバム聴いている分にはあれだけ振れ幅のあった楽曲群が、本当に一本の線のように連なっていることがわかるし、どんだけ各人のスキルがすごいのかということもよくわかる。
考えてみたら過去から大掛かりなセットとかで普通にやってるし、今回は巨大8Kビジョンに時にはすごい情報量とか出てくるのだけど、どこまでも何をやってもバンドの音は立ち続ける。本当にライブバンドとして35年以上生きてきたことがよくわかる。有体に言うと化け物ですね。

正味、面倒臭いくらいにポリティカルなバンドではありますし、それを今さら言ったところで彼らが変わるはずもなく、今回も中村哲さんのことにかなり突っ込んで触れていましたが、結果としてそれも場を作るための「演出」にしてしまっていたり、もうこれはここまでそういう姿勢であり続け、かつライブバンドでやってきた彼らの「業」なのだろうなあ、と思いました。

で、初日とセットリストを比較すると、
2曲目:I Will Follow⇒Gloria
17曲目:Angel Of Harlem⇒Desire
21曲目:Every Breaking Wave⇒You're The Best Thing About Me

17曲目・21曲目は今回のオセアニア・アジアツアーで2DAYSやったシドニーとシンガポールでは同様の入れ替えがったのですが、「Gloria」はこのツアーでは初披露。というか来日公演でやったのは1989年の大阪城ホール以来。何か嬉しい。

ただ、Twitterに4日の深夜からもう初日の映像画像がバカスカタイムラインに流れてきて、タワレコの公式アカウントなんかもう片っ端からRTするので、これ以上ネタばれしてほしくないのでやめてくれるかなあ、とか思いました。

「アイドル楽曲大賞」に投票した楽曲のこと

いろいろここんとこ大変だったわけですが、昨日23:59締め切りだった「アイドル楽曲大賞」にはギリギリで投票ぶち込んできました。
こういう単曲単位で紹介することってあんまりなかったので、ここでダラダラと。

■メジャー
おじさん / 眉村ちあき
初めて聴いた時の衝撃ったらない。何で眉村が涙腺直撃しに来るんだ。とりあえず彼女がシンガーとして抜群だということは嫌でもわかる。

Final Game-Idol of The Phantasm- / めろん畑a go go
ギミック感満載の演出で、サイコビリー系の刹那感溢れるあたりのジャンルを主戦場にしていた彼女たちが遂に手に入れたエバーグリーン。名曲。

Sing Out! / 乃木坂46
この曲絶対コンペの時の指定に「ゴスペル」か、もっと具体的に「This Is Me」とか書いてあったと思うんですよ。で、それをひたすらドメスティックに乃木坂的に解釈するとこうなる。おもしれえ。

もう一度 / マジカル・パンチライン
行けそうで行き切らないままの彼女達だからこそ、この歌詞がヤバい。こういう「ロック」ノリの曲の「麻薬」感は危険だとは思いつつ、でも彼女たちのキャリアハイ。

形而上学的、魔法 / でんぱ組.inc
何が面白いって、楽曲提供した諭吉佳作/menが下手したらメンバーより一回り以上年下なところ。そういう世の中になっていく。

■インディーズ
歌の咲く島 / 開歌-かいか-
アイドル的歌唱でも、ソウルフルな本格的歌唱でもない「合唱」的なこの佇まいの清々しさ。これはなかった。

極LOVE浄土 / クマリデパート
サクライケンタがこの曲を書いているという衝撃。何でこんなところに三連符入るねん、というところくらいしか「ぽさ」がない。というか、彼のクマリへの情熱は異常なレベル。

ENIGMA / おとといフライデー
ハバナイ浅見による、アイドル史上屈指のクールな電子音。そしてMVが本当に素晴らしい。特に2:40頃からの間奏部のカメラワークと編集。

シスター / フィロソフィーのダンス
もう今年も終わるかというところにぶち込まれてきた新曲。そして新たな名曲。本当に彼女達は隙が無い。

くちうつしうつくしい / 代代代
もうこれは今年の私にとって外せない。単純に個人的に心が動いた楽曲。

インディーズはすごく迷った結果で、以下3曲次点として。

アルゴリズム / Leo-Wonder
この解放感には抗えない。すごく気持ちいい。

感情線惑星 / 始発待ちアンダーグラウンド
アイドル界屈指のルーズなギターサウンド。よくこれをアイドルソングに翻訳できたなと思うくらいに。

CONCORDE / MIC RAW RUGA(laboratory)
Eチケの楽曲を嫌いな人間がいるのか。純粋に楽しく気持ちいい。そして可愛い。

こうやって1年をまとめつつも、正直もう今年が終わるということが信じられなくて困ります。
いや、本当年取ると早いのよ。

Metronomy@恵比寿リキッドルームのライブのこと

昨晩はMetronomy@恵比寿リキッドルーム。

f:id:wasteofpops:20191126222210j:plain

Hot Chip、!!!と、バンドなんだけど少なくとも音源については普通のバンドっぽくない感じのバンドのライブを立て続けに観たことになるわけですが、もう各バンドとも全然違う。
高性能人力ダンスミュージックマシーンと化すHot Chip、ルーズさすら伴うマッドチェスターな空気感を醸す!!!、そしてMetronomyもまた独特で。

最初は正直どうなるかと思ったのよ。だってぱっと演奏聴いて「うまいか下手か」で言えば「下手」な方に分類されることがわかるんですもの。いや、いい曲多いし楽しいのは間違いない。でも音源以上の何かがあるかっつったらいまいち感じられなくて。
でも、インストチューン、「Boy Racer」「Lying Low」があからさまにクラフトワーク的に演奏されたあたりから具合がよくなってくる。
いろんな音楽が好きで、それらを絞り込まないまま自分の懐に取り込みまくる感じの音作りをしているバンドなわけですが、それなりに自分の音として時に内省的に聴こえるほど作り込んでいる音源とは違って、ライブのこの演奏は、そんな元ネタを敢えて丸わかり状態でぶちかましてくるのです。

The Cureっぽいの、Princeっぽいの、PixiesとNirvanaの合いの子っぽいの、よくわかんないけど間違いなく80年代エレポップっぽいの。ルーツ垂れ流し状態。演奏は下手だ。でも、ここまで「俺らいろんな音楽大好きで演奏するのも大好きです!」をあからさまにされたら、もう笑っちゃうしかないし、一緒に「俺も大好きだ!」っていう気持ちになるしかなく、結果として「滅茶苦茶楽しい」。

こういう「いいライブ」もあるのだという発見。やっぱ生で観なきゃわからないことがたくさんある。
正直、週5でライブ観てお酒飲んで帰る生活が理想なのですが、そうするとお金は無くなるので働かなくてはいけないし、働いているとライブに行けないときもある。誰かお金くれよ。ください。